吉耳鼻咽喉科アレルギー科 -鹿児島市 川上町

アレルギー・漢方・小児耳鼻咽喉科&感冒・せき・声がれ・咽頭痛・口呼吸・喘息・めまい・耳鳴・難聴・補聴器・嗅覚/味覚障害・睡眠時無呼吸・頸部・甲状腺・禁煙治療・高齢者の飲み込みの問題・成人用肺炎球菌・インフルエンザワクチンなど幅広く対応できる体制をとっています。

院長の健康情報コラム

風邪・インフル予防の基本!!

2019-12-29

今年は暖冬ですが、インフルエンザの流行は早く、夏の後半から持続しています。当院でもインフルエンザは早くから認めましたが、例年より風邪にかかる方が少ないように感じていました。2019年12月16日の英国からの報告では、すでに風邪を引いている場合、インフルエンザにはかかりにくく、逆に、インフルエンザにかかっているときは風邪を引きにくいことが、英グラスゴー大学英国医学研究会議ウイルス研究センターが行った大規模研究で明らかにされました。今年は、インフル対応をまず第一に考えなければなりません

インフルエンザの感染経路として

  • 接触(手やドアノブなどから)
  • 飛沫(くしゃみ・鼻水・咳・唾液)周囲2m以内・
  • 飛沫核くしゃみ等で飛び散ったウイルスを含んで分泌物が、乾燥して微粒子として空気に浮遊)感染が考えられてきました。

最近の研究では、息をするだけで感染する報告や手のアルコール消毒だけでは防げない粘液中ウイルスの報告があります。今年は夏ごろからインフル感染が認められ湿度を高くしても防ぎきれない可能性が出てきました。

その他の感染症での空気感染では、結核、麻疹、水ぼうそうが有名で、特に麻疹・水ぼうそうは、すぐうつりますが、結核は相当長時間空間共有しないとうつりません。ノロウイルス嘔吐物からの空気粉塵感染もあります。

マスク・手洗い・ワクチン・換気が基本ですが、押さえておきたいポイントや知識が必要です。当たり前のことですが、睡眠・栄養・休養、冬は乾燥しやすく、こまめに水または白湯を飲むことも大事です。手で鼻・口・目を触らないようにします。

近年外来・街中で、首にかける感染予防グッズをかけた患者さんも時々みかけます。効果はあるのでしょうか?感染予防対策の中には、ビジネス先行のネット情報もあふれているように思われます。

👉ご家庭ではどうすれば、インフルエンザや風邪ウイルスをどうすれば防ぐことが出来るのか?押さえておきたいポイントを学び、以下の風邪やインフル予防の基本を整理してみましょう。

うがいで風邪・インフルエンザを予防できるか?

水、イソジン、お茶で、効果が期待できるものは?

マスクで風邪・インフルエンザを予防できるか?

どんなマスクが良いのか?

手洗いで風邪・感染性胃腸炎・インフルエンザを予防できるか?

どんな石鹸を使うのか?手洗いの仕方は?

インフルとノロ食中毒対策の手洗い・消毒は同じでよいのか?

近年、手のアルコール消毒だけでは防げない粘液中ウイルスの報告があります

部屋の換気は重要か?

最近の研究では、息をするだけで感染する報告もあります。我々は、今後どう対応したらよいのでしょうか?

インフルワクチンの効果はどの程度か?

新しい鼻からのワクチンは効果あるのか?

首掛け感染予防グッズは、効果はあるか?

冬に多いインフルとノロウイルスで、まずは、厚労省のインフル予防やノロウイルスの食中毒対策は何が記載されているか確認しましょう。

厚労省のインフルエンザ感染予防の三つ

令和元年インフル総合対策サイト

咳エチケット:感染症を他人に感染させないために、個人が咳・くしゃみをする際にマスクやティッシュ・ハンカチ、袖を使って、口や鼻をおさえることです

予防接種:発症をある程度抑える効果や、重症化を予防する効果があり、特に高齢者や基礎疾患のある方など、罹患すると重症化する可能性が高い方には効果が高いと考えられます。

高齢者入所施設対策:施設内にインフルエンザウイルスが持ち込まれないようにすること

厚労省のノロウイルス食中毒対策サイト

予防対策まとめリーフレットサイト

手洗いまとめ図サイト

液体石鹸を使い、流水で手を洗います。ペーパータオルまたは自分用タオルで拭きます。最後にアルコール消毒を行います。

手洗い教育動画サイトyoutube

まとめると以下のようになります。

食品取扱者は、作業前の手洗い、調理者の健康管理、調理器具の消毒を行うこと。

ノロウイルスの感染経路として

ご家庭や学校での飛沫・接触感染

感染者の吐物・糞便からの二次感染

二枚貝(カキ、アサリ)などを加熱調理しないで食べた場合

感染食品取扱者からの汚染食品を食べての感染

乳幼児や高齢者は特に注意が必要です

ノロウイルスの検査は、3歳未満と65歳以上に保険で認められた糞便からの迅速キット検査があります。

手洗いは調理を行う前、食事の前、トイレに行った後、下痢等の患者の汚物処理やオムツ交換等を行った後には必ず行いましょう。石けんを十分泡立て、手指を洗浄します。すすぎは温水による流水で十分に行い、清潔なタオル又は ペーパータオルで拭きます。石けん自体にはノロウイルスを直接失活化する効果はありませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことにより、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。

消毒は一般的な感染症対策として、消毒用エタノールや逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム、オスバン)が用いられる ことがありますが効果は低く、ノロウイルスを完全に失活化する方法としては、次亜塩素酸ナトリウム(ハイター、ミルトン)や加熱・熱湯(85度以上1分以上) による処理があります。 調理器具等は洗剤などを使用し十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200pp m)で浸すように拭くことでウイルスを失活化できます。粉塵感染予防のため、嘔吐物を素早く、乾燥させないで、床を消毒(次亜塩素酸:ミルトン)して処理します。

うがいで風邪・インフルエンザを予防できるか?

前述の厚労省のインフルとノロ食中毒対策にうがいのことは記載されていません(2008年から削除)今まで、うがいによる予防効果の検証はほとんど行われていません。

ある報告(1日3回、1回は15秒で2回うがい)では、風邪には、水うがいで、40%の予防効果イソジンうがいでは、12%の効果のようです。イソジンが、のど粘膜細胞や細菌叢に影響を与えることが原因と推測されています。またビタミンDとうがいの予防効果の比較では、うがいの効果は認めていません。うがいの予防効果については未だに議論がありますインフルエンザには、20分以内に鼻・のどの粘膜から侵入するため、通常のうがい効果はありません

うがい薬の種類

イソジン(ヨウ素)うがい殺菌作用は強いが粘膜障害や菌交代現象あり実際のかぜ予防効果は高くないようです。しかし、フルーティ味などが販売されネットでは販売上位ランクになっています。喉の感染が強い時や衛生状態が悪い高齢者の口腔ケアで一時的に使用するなど限定される使い方が望ましいと思われますし、使用後の水うがいでイソジンを洗い流すことも大事です菌交代現象とは口腔細菌叢に影響を与え長期的には善玉菌が減少して口腔細菌のバランスが乱れ感染しやすくなることです。

のどヌールスプレーヨウ素が入っていますの注意して下さい。

アズノール(アズレン)うがい:粘膜再生効果ありますが殺菌作用はありませんので、粘膜障害や菌交代現象を気にせず使用できます。

水:一部の報告ですが、風邪予防に水だけでもかなりの効果があるようです。

お茶カテキンによる抗菌作用認めます。

塩水:水500mlに塩小さじ程度(0.9%)で浸透圧による抗菌作用を認めます。塩が多いと粘膜障害となります。

いずれもブクブク➡ガラガラうがいを行います。

鼻うがい:温度(体温程度)と前述の塩水で浸透圧(0.9%程度)を守れば鼻腔・上咽頭の粘液繊毛系などへの効果はあるようです。冷水は粘膜障害を生じます

保育所での、1日1回以上のうがいの発熱予防の試みでは、緑茶食塩水水道水の順に発熱者の割合が増えています。緑茶食塩水水道水の順に効果が高いと言えます。

マスクでインフルエンザを予防できるか?

マスクの性能に依存します。不織布マスクは、保温、保湿効果で喉の保護効果があります。マスクはくしゃみ・咳による飛散予防効果咳エチケット)がありますが、マスクによるウイルスの侵入予防は限られます(飛沫の侵入予防が主マスクは鼻から口まで覆うこと、ティッシュ・ハンカチ、袖を使って、口や鼻をおさえることです手のひらで口をおさえると手から感染を広げることになります。市販マスクには、花粉・風邪・PM2.5対策など記載がありますが、花粉は防げても風邪ウイルスやPM2.5を防ぐには、N95マスクなど特殊な医療用マスクが必要になります。

 

咳エチケット(厚労省サイト

マスクの種類

ガーゼマスク(織布マスク)

ガーゼを重ねて作られているマスクです。保湿・保温性に優れていて、洗濯することで何回も使用可能です。しかし網目が粗いため、インフルエンザウイルスを含んだ飛沫の侵入を十分に防ぐことはできません。

不織布(ふしょくふ)マスク(表に下向きプリーツあり)

繊維に科学的な処置を施して接着し、薄いシート状にした使い捨てのマスクです。

ガーゼマスクに比べて網目が小さく、コロナウイルスやインフルエンザウイルスを含んだ飛沫の侵入をある程度防ぐことが可能です。ガーゼマスクほどではないですが保湿性もあります。

また、医療関係者が使うサージカルマスクと呼ばれるものは、医療用の不織布マスクで、3層、98%以上の細菌ろ過率、アメリカの医療用マスクの規格に基づいて作られています。家庭用の不織布マスクは1層~3層など性能により価格に反映されています。花粉用マスクは2層程度でつくられていることがあります。市販マスクにかぜウイルス・PM2.5対策など記載がありますが、風邪ウイルスやPM2.5への効果には疑問です。ウイルス0.1µmやPM2.5の大半0.1~0.3µmの大きさのため、非常に小さく通常のマスクでは防げません。風邪ウイルスやPM2.5を防ぐには、N95マスクを使い、装着をしっかり行い顔へのフィットを確認します。

エバーマスク

スポンジ製で、歯科医院でよく使われているようです。防塵効果が高い。呼吸がしやすく口元と耳掛けが一体です。

濡れマスクも保湿効果もあるようですが、市販されているマスクは立体マスクなど色々なタイプがあります。各国での好みや考え方も違い、国民性や個人の好みもありますので、自分に合ったもの考えましょう。

N95マスク 

「N95」とはN95規格という米国労働安全衛生研究所(NIOSH)が定めた基準をクリアしたマスクです。0.3µm以上の微粒子を95%以上捕集することができる性能があるマスクのことを指します。もともと、結核などの空気感染の可能性が非常に高い場所での使用を想定されたマスクで、密閉性が高く、隙間がほぼできないように設計されています。そのため、呼吸がしにくく、日常的に使うのは不向きといえます。日本規格ではDS2マスクとなります。これらのマスクは、医療用で高価でもあり、薬局で見かけることはあまりありません。カップ式、二つ折り、三つ折りなど形式があります。新型肺炎の中国からの報道では、カップ式をよく見かけます。

医療用の通常使うサージカルマスクでもコロナウイルスやインフルエンザウイルスの侵入を十分に防ぐことは出来ません。N95やDS2マスクが必要になります。N95マスクを使う場合、装着をしっかり行い顔へのフィットを確認します。

資料:粒子比較:花粉20~40µm、黄砂4µm、大腸菌・ブドウ球菌1µm程度、結核菌0.3~0.6µm、PM2.5 2.5µm以下0.1~0.3μmが多い、インフルウイルス0.1µm程度、コロナウイルス0.12~0.16µm、ノロウイルス0.03µm

手洗いでインフルエンザを予防できるか?

手洗いは、接触感染予防の基本です。

石鹸と流水での手洗いに物理的除去はすべてのウイルスに効果を認めます。インフルウイルスは、消毒用エタノールで効果を認めますが、ノロ・ロタウイルスには効果はありません。

石鹸の選択

液体石鹸を使用しましょう。液体石けんの中身を詰め替える際は、残った石けんを使 い切り、容器をよく洗い乾燥させてから、新しい石けん液を詰めます。

固形石鹸は、共用はしない事 細菌が繁殖することあります。固形石けんは、1回ずつ個別に使用できる液体石けんと比較して、保管時に不潔になり やすいことに注意します。

通常の液体・固形石鹸は、殺菌効果はあまりありませんが、泡立ち効果が高く、手洗いでのウイルスや細菌除去に優れます。

逆性石鹸(オスバン、塩化ベンザルコニウム)は殺菌効果が高く、細菌、後述のエンベロープを持つウイルス対策に効果を認めます。緑膿菌、芽胞、結核菌は効果無く、真菌には高濃度長時間処理が必要です。泡立ち効果は高くありません。柔軟剤、リンスとしても使用されます。

薬用石鹸の問題(米国と日本)

2016年9月米国のFDA(米国食品医薬品局)は、殺菌剤(トリクロサン、トリクロカルバンなど19種類)入り抗菌せっけんの販売を禁止すると発表しました。日本では薬用石鹸と呼ばれています。2015年にはヨーロッパでは、トリクロサンの衛生用品の使用を禁止しています。特に、トリクロサンは、環境ホルモンで経口・皮膚を経由して簡単に体内に浸透する性質があるようです。

FDAは、販売禁止にする理由を、消費者は、抗菌成分を含む石けんが細菌の繁殖を防ぐと思っているかもしれません。しかし、その成分が一般的な石けんを使った手洗い洗浄よりも、感染予防に優れているという科学的証拠をわれわれは持っていませんとなっています。抗菌剤は新たな耐性菌を生み出す危険性があります

厚労省 トリクロサンなど含有薬用石鹸の切り替えを促す通知サイト)2016年9月30日

茶のしずく石鹸と食物アレルギーの問題

添加物が多い石鹸は、添加物による経皮感さが生じて、食物アレルギーのリスクが増加する可能性があります。小麦アレルギーの原因となった茶のしずく石鹸は裁判にもなりました。特に、アトピーや肌荒れ・手荒れでお悩みの方は注意しましょう。

悠香(ゆうか)ウイキペディアサイト)で確認して下さい。

アルコール消毒の選択

通常の消毒用エタノール(街中や公共施設に置かれているもの)

エンベロープウイルス(インフル、RSV,麻疹、風疹、おたふく、ヘルペス、エイズ、B型肝炎ウイルスなど)には効果を認めます。

ノンエンベロープウイルス(主に夏風邪と感染性胃腸炎:ノロ、ロタのウイルスと鼻かぜのライノウイルス、A型肝炎ウイルスなど)には効果ありません。

酸性にした消毒エタノールウイルステラVHサラヤなど

エンベロープやノンエンベロープの両方のウイルスに効果を認めます。

アルコール消毒に頼るインフル対策の問題点

最近、手指に付着した感染粘液のもとでは、完全に乾燥するまでは消毒エタノールの効果は大幅に低下することが報告されています。報告では、流水による手洗いだけでもウイルスに対して十分な効果を認めています。鼻水などが付着した粘液中のインフルウイルスに対して、擦りこみ式手指消毒の効果を過信せず、こまめに手洗いを行うことでより高い消毒効果が得られる可能性があります。

部屋の換気は重要か?

部屋の換気は、飛沫核(空気)感染予防の基本です。

インフルエンザは、密閉、低温、乾燥の条件がそろうと、部屋にいるだけで感染します。くしゃみ・咳で飛び散った分泌物は、いったん付近のものに付着した後、乾燥して水分を含まない微粒子(直径5/1000mm)の感染を飛沫核感染と言います。2µ以下の飛沫核は長時間空中をただよう事ができるため、同じ部屋に一緒にいるだけでも感染します。部屋の換気は重要です

息をするだけで感染(エアロゾル)

2018年の報告では、咳やくしゃみをしなくても、インフルエンザ患者が呼吸するだけで周囲の空気にウイルスが放出されることが分かってきました。冬に外にて息をはくと白く見える範囲の空気感染は、もっと多いと考えた方が良いようです。したがって、報告では、「インフルエンザに感染した人が職場に現れた場合には、周囲への感染を防ぐため職場にとどまらせず、すぐに帰宅してもらうべきだ」と強調されています。1~2時間に1回の部屋の換気はますます重要と考えられます。

ワクチン効果はどの程度か?

結論は、インフルワクチン効果は、重症化予防に効果があり、ウイルス侵入防御はなく、発病阻止効果は低いと考えられます。

高齢者(65 歳以上)を対象に、インフルエンザワクチンの発病阻止効果は34〜55%、インフルエンザを契機 とした死亡阻止効果は82と報告されています。乳幼児のインフエルエンザワクチンの有効性に関しては、報告によって多少幅がありますが、概ね20~60%の発病防止効果があったと報告されています。

現在のワクチン皮下注射では、分泌型IgAは誘導せず、血清IgG抗体を上昇させます。血清IgG抗体は、分泌型IgAのような鼻・口腔・気管での侵入を防ぐ効果や交差防御効果はありませんが、生体内でのウイルス活性を弱める効果がありますので感染後の症状発現予防や重症化予防は期待できます

ワクチン製造に使用されたウイルス株と異なるウイルス株が流行すると、現在の不活化ワクチンの効果は期待できません。その年の流行インフルウイルスが製造ワクチンのウイルス株とすこし異なると、ワクチンを打っても効果があまり期待できない年があるのはそのためです。現在のインフルワクチンは重症化予防に効果が高いと考えて下さい。

今後のワクチン:経鼻で痛くなく効果が注射より高い予測

フルミスト:

毒性を弱めた経鼻生ワクチンが米国(2003年)とヨーロッパで承認されていますが、日本では未承認のため輸入で行う施設もありますが、副反応が生じた場合には日本での救済制度が利用できず自己責任になります。2歳以上50歳未満が適応で、接種後の鼻水、咳、発熱が高確率で認めます。生ワクチンのため、妊婦さんは出来ません。高い発症予防効果と予想流行タイプと異なるウイルスに対しても軽症化させる効果があるようですが、米国では、2016~2017年は効果が疑問視され一時推奨されない時期がありました。

国産経鼻ワクチン:

阪大微生物病研究会が開発した国産の不活化経鼻ワクチンが日本で承認申請される方針のようです。このワクチンは、不活化のため副作用が少なく、高い発症予防効果と予想流行タイプと異なるウイルスに対しても軽症化させる効果があると期待されています(2019年11月の記事)。

首から下げるタイプの除菌用品(二酸化塩素など)

宮崎県薬剤師会サイト

ネームプレートのように首から提げて使用する二酸化塩素による除菌商品の問題点が説明されています。

二酸化塩素の成分は、細菌・ウイルスを殺す効果(水道水、プールなど使用)はありますが、今のところ、二酸化塩素の商品(除菌グッズ)で、細菌やウイルスの感染予防に効果があるとして医薬品や医薬部外品として認められているものはありません。現在CMでも見かけるスプレー、置きタイプ、ペンタイプなどの二酸化塩素除菌用品は、衛生管理製品という表現がなされていますが、医薬品や医薬部外品ではありません。つまり効能や効果は表示できない雑貨に分類されます。二酸化塩素には毒性があり、吸入による呼吸器毒性、目への毒性、生殖毒性、授乳中の子に害を及ぼすおそれが認められます(職場の安全サイト:厚労省から)除菌用品から二酸化塩素を吸入することもあり、乳幼児やぜんそく・気管支の弱い方などは充分注意が必要です。

職場の安全サイト(厚労省サイト二酸化塩素の健康への有害性について

平成26年3月27日、消費者庁から、「二酸化塩素を利用した空間除菌を標ぼうするグッズ販売業者17社に対する景品表示法に基づく措置命令について」という発表があったようです。

国民生活センター:2019年9月更新サイト

部屋等で使う据え置きタイプの二酸化塩素の商品に関する報告の問題点が記載されています。

国民生活センター:2019年4月更新サイト

首から下げるタイプの除菌用品で、次亜塩素酸ナトリウムの化学やけどの刺激性の報告が記載されています。

参考資料

保育所における感染症対策ガイドライン 2018年

ストレスとお口・のど・おなか&漢方

2019-12-21

ストレス社会と口・のど・胃・腸の病気

急速なIT化や核家族化、会社、学校での人間関係、介護疲れといったストレス社会のため、心の問題を背景にした訴えが、非常に増加してきています。

耳鼻咽喉科領域では耳鳴り、ふらつき、のど違和感、原因が特定できない舌のピリピリ感や異常感(舌痛症)などは心因性の要素が多い訴えです。

消化器の領域ではストレスや自律神経が関与する機能性消化器障害(FGIDs)が、近年、関心が高まっています。FGIDsは、口から肛門までの全ての消化管に起こる器質的な異常が認められない慢性的消化器症状をおこす病気です。具体的には、胃痛や食後の胃もたれなどの機能性ディスペプシア(FD)、便秘・下痢・腹痛・膨満感を反復する過敏性腸症候群(IBS)、胸やけ酸っぱさなどの非びらん性胃食道逆流症(NERD)、ストレスが関与するヒステリー球・咽喉頭異常感症などが該当します。

最近、マスコミで注目されている舌癌などに関連しての不安や日常のストレスからの舌痛症(舌のピリピリ感や異常感)もFGIDsの疾患群に入れてもよいように思われます。

機能性消化器障害(FGIDs)は、世界的には2006年のローマ基準で標準化され、日本では2014年にガイドラインが作成され認知度が高まっている心身医療の役割が大きい疾患群です。日常診療では、それぞれの症状に合わせて患者さんは、各専門医の受診を行います。のどは耳鼻咽喉科、舌は耳鼻咽喉科・歯科口腔外科、食道・胃・腸は消化器内科が診察して原因が特定できない難治例や心因性が強い場合は心療内科に紹介されることもあり、患者さん自身がドクターショッピングを繰り返すこともよくみられます。

漢方と機能性胃腸障害&心身医療

漢方・東洋医学の領域では、のどの異常感に頻用される半夏厚朴湯は、2000年ほど前の中国の古典の金匱要略にも出典があり、昔から頻用される薬で、ひとつの薬で、不安・不眠・気うつ・のどの違和感・神経性胃炎などの心から口、のど、胃腸に使用されます

西洋医学のように、のどは耳鼻咽喉科、舌は耳鼻咽喉科・歯科口腔外科、食道・胃・腸は消化器内科、子供は小児科が診察、こころが主であれば心療内科と領域ごとに対応し、様々な薬がそれぞれ出されることはありません。漢方では、その人の心身の全体を判断(証)して生薬の組み合わせのひとまとまりで対応していきます。

西洋医学で最近注目されるようになった機能性胃腸障害(FGIDs)と心身および脳腸相関に対して、東洋医学では、半夏厚朴湯などの漢方薬を代表に、すでに2000年ほど前から治療体系が存在していました。漢方医学では、心と体はお互い強く影響しあうという心身一如という考えによる治療体系となっています。

 

👉 今回は、舌痛症、ヒステリー球・咽喉頭異常感症、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群、非びらん性胃食道逆流症など、一人の患者さんでオーバーラップすることも多く、不安・不眠・うつも重なって認めることも多いため、漢方医学の心身一如の考えも取り入れ、心と口・のど・胃腸を総合的に治療するお話です。

機能性胃腸障害(FGIDs)は中年女性に多いと言われていますが、男女問わず子供から高齢者まで認められます。子供のFGIDsは昔から非常によくみる疾患で、思春期やそれ以前の時期には、反復する腹痛・下痢・嘔気・便秘で現われます。いじめや不登校などに関係してきます。

患者と医師の信頼関係が治療に大きく影響する疾患群です。

 

心身症としての口・のど・胃・腸への対応

西洋医学では、

FGIDsで心身症の要素が強い場合は、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬など使用しますが、依存性の問題を考えなければなりません。うつ病、気分障害に対しては、薬を使わない認知行動療法が世界的には普及しています。精神科・心療内科では、2010年から日本でも保険適応(医師・看護師)になっているようです。瞑想の技法を取り入れたマインドフルネスと認知行動療法については、今日の健康などの健康雑誌で一般の方にも知られてきています。

漢方・中医学では、

傾聴を行い、証を考え以下の処方を考えます。

気の流れを促進する生薬(理気薬)を多く使用します。依存性の心配はありません

気剤・理気剤

蘇散、半夏厚朴湯、平胃散、四逆散、加味逍遥散、柴胡剤

補気剤(気を補う処方)

六君子湯、補中益気湯

五臓の肝・心の病態に作用する処方

瀉心湯類、帰脾湯、苓桂朮甘湯、甘麦大棗湯、酸棗仁湯、竹じょ温胆湯、抑肝散、柴胡剤、四物湯

 

舌痛症を含めたFGIDsの代表疾患の

舌痛症

ヒステリー球・咽喉頭異常感症

機能性ディスペプシア(FD)

非びらん性胃食道逆流症(NERD)

過敏性腸症候群(IBS)

小児のFGIDs反復する腹痛、嘔気、下痢・便秘

について以下に説明しています。

FD,IBS,GERD(胃食道逆流症:特にNERD)の三つの合併例も多く認めます

 

各論

ヒステリー球・咽喉頭異常感症

咽喉頭異常感症とは、「のどがつかえる」「不快感」「何かできている」などの訴えはあるが、検査異常や器質的異常は認めないものをいいます。内科ではヒステリー球漢方では咽中炙れん、梅核気と表現されます。耳鼻咽喉科では、よく見られる心因性の関与がつよい疾患です。

癌、後鼻漏、ドライマウス、アレルギー、胃食道逆流症、嚥下機能障害、甲状腺疾患など除外して判断します。

代表漢方処方

半夏厚朴湯 柴朴湯 半夏瀉心湯 香蘇散 六君子湯など

 

舌痛症

舌痛症とは,舌尖,舌側縁部に多く,ピリピリ感,ヒリヒリ感を訴えるが,原因疾患が認められないものをいいます。一般に,更年期, 高齢女性が圧倒的に多く,背景にうつ状態,ストレス,神経症などが考えられ、同時に頭痛、不眠、ふらつき、耳鳴りを伴うことも少なくありません。摂食時や会話時は症状が軽減します。生真面目で癌恐怖などの心理的背景が絡んでいます。

発症の契機として、カンジダ、口内炎、義歯、歯並びなどの局所的要因が考えられれば、西洋的治療を優先させます。義歯のアタリや歯の鋭 縁の治療を歯科医の協力のもとに行い、軟性プラスチック製のナイトガードで歯の鋭縁を被覆することも有効のこともあるようです。

ドクターショッピングの方も多く、西洋・漢方薬ともに改善させるのが難しい疾患のため、患者医師の信頼関係が重要です

西洋薬抗うつ薬、抗不安薬、リリカ、メチコバール、プロマック、リボトリール、咳嗽薬など神経や脳に作用する薬が多用されます。

代表漢方処方お血、肝気鬱血、気虚、気うつ、高齢では気血両虚、陰虚に対して)

半夏瀉心湯、半夏厚朴湯、柴朴湯、柴胡桂枝乾姜湯、黄連湯、加味逍遥散、当帰芍薬散、五苓散、桂枝加朮附湯、立効散、六君子湯、人参湯、補中益気湯、十全大補湯、人参養栄湯、麦門冬湯、白虎加人参湯、六味丸、八味地黄丸など多数の漢方処方例があり決め手がないことの表れでもあります。

機能性ディスペプシアFD

以前は慢性胃炎と言われていました2013年から機能性ディスペプシアと呼ばれるようになりました。胃痛や胃もたれで検査(胃カメラ、画像検査)を受けても異常認めない方で、女性に多く日本人の10~20%いるといわれています。

食事と関連する食後愁訴症候群(PDS)(食後の胃もたれなどが週に2~3回以上)

食事と関連しない心窩部痛症候群(EPS)(週に1回以上)

に分類され3ヶ月以上継続するとなっています。

ストレスによる自律神経の働きの乱れが関与しているのでないかと考えられています。胃酸が関与する食後の胸やけのNERD過敏性腸症候群(IBS)との合併が多く、便通異常・下腹部痛を伴い不安症状を訴えることも少なくありません。のどの違和感・咳・痰の原因となる喉頭酸逆流症の合併も認めます。

幼少時期の虐待との関連も報告されています。アルコール、不眠、生活習慣との関連も認めます。中には、診断にて慢性膵炎が十分除外されていないことがあるようです。

FDの病態と治療

胃酸に対して過敏状態(みぞおちの痛みや焼ける感じ)

胃の蠕動運動が弱くなる(食後の胃もたれ)

胃の上部が広がらない(早期膨満感)

FDの治療

次のことをまず1週間行いましょう。

胃に負担をかけない食べ方(よく噛み、腹8分目、食後30分は休むこと)

十分な睡眠

適度な運動

禁煙 

患者医師関係が良いことも重要で、プラセボー効果も高い疾患です。認知行動療法や催眠療法も効果があるようです。

 西洋薬:

強いストレスには抗不安薬、抗うつ薬

胃痛には胃酸を抑える薬(PPI, H₂ブロッカー

早期膨満感や胃もたれにはアコチアミドアコファイド)を用い、体内のアセチルコリンを増加させ消化管運動を活性させます。3週間内服して改善しないときは消化器内科で胃カメラやピロリ菌検査を行います。ピロリ菌がFD症状に関連していることがあります。

代表漢方処方

胃もたれには大柴胡湯、六君子湯、平胃散、補中益気湯、四君子湯、二陳湯

不安・のどの違和感や腹部膨満では半夏厚朴湯、半夏瀉心湯、茯苓飲、

胸やけやげっぷには半夏瀉心湯、茯苓飲、半夏厚朴湯、六君子湯、人参湯

胃痛には連解毒湯実証)、四逆散、柴胡桂枝湯、安中散(胃弱)、人参湯

食欲不振には補中益気湯、帰脾湯、人参湯、十全大補湯

非びらん性胃食道逆流症NERD

胃食道逆流症(GERD)と耳・はな・のど・呼吸器症状との関連は

当院ラム胃酸の逆流と耳・はな・のど・呼吸器で確認して下さい。

胃カメラで食道粘膜障害がないことを確認されると非びらん性胃食逆流症NERD)と診断されます。逆流症状を訴える患者の60~70%に認めます。若年発症で女性比率が高く、やせ型で、通常のPPIによる治療抵抗性(30~60%)を示すことが多くストレスの関与が考えられています。

西洋・漢方処方

タケキャブ、PPIにモサプリド六君子湯、茯苓飲、茯苓飲半夏厚朴湯、香蘇散など上乗せすることがありあます。米国では、抗うつ薬(SSRI,SNRI)を使用します。

過敏性腸症候群IBS

過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome、IBS)とは、主として大腸の運動、知覚および分泌機能の異常で起こる疾患。腸管自体に器質的疾患が認められず、慢性の腹痛と下痢や便秘、腹部膨満などの症状が持続します。

わが国における過敏性腸症候群(IBS)の有病率は人口の14.2%、1年間の罹患率は1~2%、内科外来患者の31%と高頻度です。腹痛、ならびに下痢、便秘の原因となる癌と炎症性腸疾患を中心に消化器専門医で除外して診断します。

2016年のRome IV基準では、以下の診断基準を満たすときIBSを診断するとしています。

腹痛が、最近3カ月のなかの1週間につき少なくとも1日以上は生じる

①排便に関連する、②排便頻度の変化に関連する、③便形状(外観)の変化に関連する3つの便通異常のうち2つ以上の症状を伴う。

Bristol Stool Form Scaleを用いて便秘型、下痢型、混合型、分類不能型を分類します。ストレスの関与もあり、患者医師関係が良いことが重要です。

西洋医学の処方

病型に応じて、薬剤を選択します。

下痢型には5-HT3拮抗薬(イリボー)やメペンゾラート(トランコロン:抗コリン作用あり)を投与します。

便秘型に対しては、コーラック、センナ以外の下剤であるラキソベロン(ビコスルファナート)や酸化マグネシウムなどを処方します。アミティーザ(飲み始めの吐き気あり)、リンゼスも使用可能です。センナや大黄は屯用で考えます。

下痢・便秘型はコロネル、セレキノン、整腸剤

腹痛に対しては、ブスコパンなどを頓用

漢方処方

下痢には半夏瀉心湯、補中益気湯、加味帰脾湯、六君子湯、啓脾湯、十全大補湯、人参養栄湯、人参湯、真武湯

下痢・便秘には香蘇散、抑肝散、芍薬甘草湯、桂枝加芍薬湯、小建中湯、黄耆建中湯

便秘には桃核承気湯、四逆散、柴胡疎肝湯、加味逍遙散、桂枝加 芍薬大黄湯、大建中湯

小児のFGID反復する腹痛、嘔気、下痢・便秘

上腹部痛は、FDの心窩部痛症候群(EPS)

下腹部痛は、IBSの便秘型と鑑別不能の機能性腹痛症候群

下痢では、IBSの下痢型

が代表疾患です。

ピロリ菌感染の家族歴を確認します。腹痛では、小児の腹部片頭痛(持続1~72時間、正中部・臍周囲や漠然とした腹痛、悪心・嘔吐・食欲不振を合併)と区別します。

頭痛、腹痛、起立性障害、朝が起きれないなど、学校に行くのがたいへんな症状がある方は次の当院コラムを見て下さい

よくわかる子供の漢方:起立性調節障害、ふらつき、頭痛、腹痛

 

生活習慣・ストレスの改善

早寝早起きをこころがけて睡眠不足の改善を図る。

下痢型は、香辛料やカフェイン飲料を控える。

腹痛・便秘型は、食物繊維を多く摂取して起床時の軽めの運動や余裕をもった排便習慣を持つ。前屈での排便姿勢を行います。

学校や家庭での対人関係などの環境調整を行います。親子関係が重要です。

西洋・漢方の処方

上腹部痛(FDのEPS)には

PPI(ネキシウム顆粒1歳以上),H₂ブロッカー(アルタット細粒 6歳以上)、

抗コリン薬、柴胡桂枝湯、安中散、芍薬甘草湯、六君子湯など

FDの食後愁訴症候群(食後の胃もたれ・吐き気・胸やけなど)には

六君子湯(頻用)、半夏瀉心湯(実証向きで苦い)

便秘・下腹部痛には

モビコール(2歳以上)、カマグ、ビコスルファナート

小建中湯(甘い)、桂枝加芍薬湯、大建中湯、中建中湯、桂枝加芍薬大黄湯など

最初は大黄や芒硝の使用は控えること。

下痢型には

整腸剤、五苓散、小建中湯、人参湯(甘い)、黄耆建中湯(甘い)、真武湯、半夏瀉心湯、柴苓湯など

 

参考資料

関連ガイドライン、 小児科診療 2018No2実践!小児漢方 診断と治療社

実践ダニ対策(チリダニ・マダニ)

2019-09-29

ダニ関連の喘息やアレルギー性鼻炎の改善目的にダニ対策は重要であることは認識されている方は多いと思います。しかし、薬物治療と比べダニの環境整備は、即効性はなく行っても実感がわかないと感じている方が多いでしょう。

ネットを探せばダニ対策参考資料はたくさんでてきますが、掃除の細かいことや一般的なことなど沢山かかれています。何から手を付ければよいのかわかりにくい感じがします。実際行われているかと言うと実行性に乏しいように思われます。動画による説明と解説があれば、おそらくダニ対策の有効性が理解でき実行への動機づけになると思いますので、今回、環境再生機構の動画を用いて解説をくわえてみました。頑張ってみましょう。

その他にも屋外ダニのマダニの注意点やマダニやチリダニによる食物アレルギーのことも触れてみました

ダニの種類

ダニは昆虫ではなくクモやサソリの仲間になります。ダニは5万種以上あるといわれていますが、身近に問題となるのは、目に見えないmite(マイト;屋内チリダニ)と吸血する見えるtick屋外マダニ:犬ダニ)となります。

屋外ダニでは、マダニは2.5mm~10mmの大型のダニでダニ媒介性感染症(死亡するこもあるSFTSなど)を引き起こします。ネズミに寄生するイエダニ(大きさ0.6~0.8mm)は、5~9月に発生して、吸血し痒みや痛みを引き起こします。ネズミ駆除を行います。

屋内ダニでは、大きさが0.2mm~0.4mmと小さく、肉眼で確認できないチリダニ(ヤケヒョヒダニ、コナヒョウヒダニ)が9割で、様々なアレルギー症状の原因となります。ほかには人を刺し痒みの原因になるツメダニ、保存環境が悪い食品に住むコナダニなどがあります。畳に白い小さな虫がいればチャタテムシを疑います。チャタテムシがいれば、ツメダニはチャタテムシを餌にするのでツメダニの存在も疑います。

マダニ対策

国立感染症研究所:マダニ対策サイト

西日本を中心にマダニによるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)が報告されていますので、山歩き、キャンプ、屋外作業するときはマダニ対策をしっかり行う必要があります。SFTSの潜伏期間は6日~2週間で5~8月に患者数が増加します。症状は発熱、消化器症状、出血傾向を認め、死亡率6~30%になります。治療は対症療法のみです。国立感染症研究所:マダニSFTS(サイト)

 

チリダニ対策(ダニ関連アレルギー性鼻炎・結膜炎・喘息対策)

日本では昔は、屋内では人を刺すツメダニが多くいましたが、高気密・高断熱の家の増加のため、チリダニが1960年代ごろから急に増加しています。冬でも温度・湿度が一定に保たれるため、一年中ダニが増殖することになります。

喘息発作を起こすダニのアレルゲン量は感作:2µg/g塵 発作:10µg/g塵 がWHOの基準ではなっています。

世界比較の寝具のダニアレルゲンで、日本は2µg/g塵以上で10µg/g塵が平均的な数値ですが、スエーデンでは、2µg/g塵以下がほとんどです。日本は世界でもダニアレルゲン量が最も多い国と言えます。日本家屋内の調査でも、床より寝具のダニアレルゲンが特に多いことも知られています

室内ダニの最適温度25~30℃、相対湿度60~80%のため、ヒョウヒダニは湿度が高い梅雨に増え始め、7月から9月はじめにかけて増加し、死骸・フンが10~11月に増加してアレルギー症状(喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎)の原因となります。

ダニ対策を中心とした環境整備を行うことが、喘息やアレルギー疾患の急性発症予防やステロイド吸入の減量につながります。

ダニ対策の実践(環境再生機構サイト)要点が簡潔にまとまっていますので、確認して下さい。

👉以下の環境再生機構の動画がよくできています。動画を見た方が、具体的にどうやればよいかイメージがわきやすく、動画はリアルでストーリー性があり動機付けになります。それぞれの動画の簡単な解説を付けていますので、参考にしてみてください。

簡単にまとめると、寝具の加熱(50℃以上)は3ヶ月に1回、シーツのこまめな洗濯、寝具の掃除機掛けと天日干しは1週間に1回、布団たたきのみは逆効果、たたいた後は掃除機掛けを。床・たたみ・カーペットは、週に1回以上(1回/3日間)掃除機掛けを行います。窓の換気を、こまめに行い湿度をあげないようにします。優先順位は寝具のダニ駆除を第一に考えましょう

動画1サイト

布団の中のダニが原因で、お子さんが喘息を突然発症する話です。ダニ対策ドラマの開始です。

動画2サイト

喘息の治療は環境整備、薬、体質改善・体力増強です。環境整備では、ダニの関与が最も多く、ダニを減らすことが大事です。ダニを減らすと薬を減らせます。ツメダニやコナダニは喘息に影響しません。チリダニが原因になります。チリダニは3週間で卵から成虫に成長し、ダニの環境が良いと10週間後には30匹が1万匹まで増殖します。その糞・死骸なども粉々に(0.2μm)なり空中を浮遊してアレルゲンとなり、吸って喘息発作を起こします。

動画3サイト

子供がダニ襲われる夢を見てドラマが始まります。チリダニの隠れ場所:たたみ、カーペット、ぬいぐるみ、布ソファです。フローリングはホコリが舞い上がり易くなります。寝具はダニが最も住みやすい場所です。

動画4サイト

ダニの弱点を知る!実験では、ダニは20~30度では増殖し、40℃でもなくならず、50℃以上で死滅します。湿度は40%以下で4時間後に全滅します。実際の室内では、室温22~28℃、湿度60~80%でどんどん増殖します。

動画5サイト

西宮市の環境衛生課のダニ対策を中心に解説しています。

西宮市:ダニを駆除するにはサイト)も参考にしてください。

効率的な掃除の方法

第一にやることは寝具のダニを駆除すると喘息発作が防げます。ダニは人の皮膚カスが大好きです。ダニの駆除と増殖予防を同時に行う。

普段から窓を開け湿度をあげない、掃除の時は窓も開ける事。カビはダニのえさにもなります。湿度40%以下でダニの死滅効果があります。冬は加湿器で湿度をあげすぎない事。

子供の寝室はカーペットはひかず、ごみがたまりやすい物を置かない事。ぬいぐるみを置く場合3ヶ月に1回洗濯する。

窓を開け、畳、カーペットの床面に毎日掃除機を1m²に20秒かけて週に1回以上行うこと小児喘息時の部屋は毎日の掃除が良い。フローリングは、ホコリを舞い上げない拭き掃除の後の掃除機が良い。フローリング、畳、絨毯の順にダニは増加します。

就寝時子供の寝返りでダニのアレルゲンを吸い込むと発作を起こすので、1週間に1回は寝具・布団の掃除を1m²を20秒かけて行うこと。布団はシーツをはずし、布団用ノズルを用いて裏・表に行います。布団用ノズルが無いときは、ストッキングの先端を先にかぶせる方法もあります。喘息のお子さんは、布団のなかで暴れると喘息発作を起こします

天日干しは乾燥させるためダニの増殖対策に有効ですが、ダニそのものは光に過敏に反応して布団の反対側の影の部分に移動して駆除効果は乏しい。

布団たたきについて5分の布団たたきと布団たたき後76秒の掃除機掛けの方が約30倍のダニ駆除効果を高めます布団たたきだけでは、ダニアレルゲンを表面に浮かすだけで逆効果のこともあります。

衣類乾燥機(通常55℃以上)と洗濯

洗濯はダニのえさとなるフケ・垢など除去しますが、ダニそのもの死滅効果はあまりありません。衣類乾燥機50℃以上で死滅効果があり、60℃以上ではすぐに死滅します。乾燥機での加熱は3ヶ月に1回行います。毛布やタオルケットなどは30~60分でダニは死滅可能。夏の炎天下では車の中でも同様の効果があります。死骸は残りますので乾燥後も掃除機掛けは行います。衣類乾燥機に適している寝具なのかは各自確認して下さい。

防ダニ布団カバー(高密度繊維)

カバーのおかげで、ダニは布団の中に入らなくなりますが、表面にはダニが存在するためシートの洗濯と掃除機掛けは必要

布団乾燥機では、中心が50℃以上40分で死滅します。

 

動画6サイト

ダニ駆除を行えば、子供の小児喘息が改善した話。リビングなど全部行うのは大変なので、シーツや寝具と寝るところをしっかり定期的に行うだけで効果があります。ハッピーエンドにドラマは終わります。

ためしてガッテン2015年7月22日ダニ撲滅宣言サイト)前述したことがまとめてあります。

 

👉次はチリダニやマダニの食物アレルギーの話になります。

パンケーキアナフィラキシー(貯蔵チリダニアレルギー)

チリダニが原因の食物アレルギーです。

海外では、パンケーキ粉が原因であることが多く、日本ではお好み焼き粉やたこ焼き粉混入したチリダニなどが原因で起こす食物アレルギーです。ほかにコナダニの報告もあります。小麦アレルギーやお好み焼きの具材の食物アレルギーを除外する必要があります。加熱調理しても抗原性は失いにくく、調理後のお好み焼きなどを食べて30分以内に喘鳴、膨疹、呼吸苦が出現します。小麦粉のみの製品によるダニ混入のアナフィラキシーは少ないと言われています。

診断は難しく、症状を誘発した顕微鏡によるダニの存在の確認、原因製品・未開封の製品・小麦粉・ダニのそれぞれのプリックテストなど皮膚科の検査、特異的IgE抗体検査など行う必要があります。

対策:ダニはわずかな隙間からでも入るため、お好み焼き粉・パンケーキ粉・たこ焼き粉は、開封後、密閉して冷蔵保存します。

肉アレルギー(マダニ関連経皮感作)

四つ足の肉(牛肉、豚肉、羊肉)を食べて数時間から半日以内に起こる遅発性獣肉アレルギーです交差反応を示すカレイ魚卵を食べても同様のアナフィラキシーを起こすことがあります。肉アレルギーの方は、医療の分野(頭頸部癌、大腸がん)で使用される抗ガン剤のセツキシマブの使用によるアナフィラキシーの可能性があり注意が必要です。

肉、カレイ魚卵、セツマキシブに共通するのは、原因抗原のα-galです。α-galはフタトゲチマダニの唾液腺中に存在していて、マダニ咬傷による経皮感作が考えられています。患者は犬などのペットを飼っている方が多く、犬などを介してのマダニ咬傷が推測されます。

参考資料

環境再生機構HP  国立感染症研究所HP  小児気管支喘息治療・管理ガンドライン2017

年代別食物アレルギーのすべて 海老澤 編 南山堂

アレルギーマーチの予防と対策

2019-09-08

アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎は、ダニなどの環境アレルゲンに対するIgE抗体を産生しやすい体質(アトピー素因)をもつ人に多く発症します。子どもの成長によって発症しやすいアレルギー疾患が変化する現象を1980年代に馬場 実 医師が行進のようであると考えアレルギーマーチと名付けました。

アトピー性素因(家族歴)

乳児湿疹・アトピー性皮膚炎

食物アレルギー

気管支喘息・アレルギー性鼻炎・結膜炎

上記①➡②➡③➡④の順に成長につれて発症し、アトピー性皮膚炎・乳児湿疹がアレルギーマーチの出発点であるとされています。アトピー性皮膚炎の1/3に気管支喘息を発症、1/2にアレルギーマーチが続発すると考えられています。アトピー性皮膚炎があると、アレルギー性鼻炎2~3倍、喘息2~3倍、食物アレルギー6倍のリスクがあります。アトピー性皮膚炎の乳幼児早期発症重症・持続性やアレルギー疾患の家族歴があるとアレルギーマーチが発症しやすくなります。近年小児のアレルギー疾患が増加する中で、このアレルギーマーチの発症、進展を予防することが重要な課題となっています。気道アレルギー(喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症)のすべてがアレルギーマーチの経過で起こるわけではありません。半数以上はアトピー性皮膚炎がなく発症していて、気道粘膜バリア障害気道感作の関連が考えられます。

感作とは?

アレルギーの原因となる物質をアレルゲンといい、私たちの身のまわりには、食物、花粉、ダニなど多くのアレルゲンが存在します。このアレルゲンが体の中に入ると異物とみなして排除しようとする免疫機能がはたらき、IgE抗体という物質が作られ、この状態を感作といいます。ダニに感作されると、ダニに過敏に反応するようになります。感作されると肥満細胞にIgE抗体がくっつき、再度アレルゲンが侵入するとアレルギー症状が急に出るようになります。

但し、採血でダニ・スギ・エビなどが陽性(感作)となっても制御性T細胞(Tレグ)が働くとアレルギー反応はおこりません免疫寛容)。採血結果や皮膚テストと症状が一致してアレルギーの発症と考えます。採血結果陽性だけで症状が無ければ食物除去などは必要ありません。

アレルギーマーチは経皮湿疹感作から生じる

以前まで、食物アレルギーは消化管でアレルゲンが吸収され感作が成立する腸管感作が主体と考えられていました。ところが近年の研究結果から、スキンケア不足による皮膚の乾燥・湿疹やアトピー性皮膚炎による経皮感作により食物アレルギーは進行し、離乳食を遅らせず(生後5~6ヶ月)食物アレルゲンを症状なく食べて摂取を続けることにより経口免疫寛容が誘導されることがわかってきました。皮膚の状態が悪いと、経口免疫寛容の効果も得られにくいと考えられ、離乳食前に、生後からスキンケアなどで皮膚の状態を良くしておくことも重要です。 経口免疫寛容とは、食べたものに対して過剰なアレルギー反応を起こさないようにする仕組みのことです。

子どもの食物アレルギー当院HP)も参照して下さい。

アレルギーマーチとは関係なく、小児から成人まで、茶のしずく石鹸、化粧品、魚、ダニ、金属イオンなどのアレルギーもアトピー性皮膚炎・経皮湿疹感作の関与が考えられています。

👉 今回はアレルギーマーチを防ぐために自分でできる事や対応の話です。

 

アトピー性皮膚炎および食物アレルギーの予防

新生児期からのスキンケアの重要性

2014年、国立成育医療研究センターから、新生児期からの保湿剤塗布によりアトピー性皮膚炎の発症リスクが3割以上低下することが報告されました。皮膚のバリア機能が障害された状態で、早期に十分な対応がなされず皮疹の改善が遅れると、食物アレルゲンの皮膚感作が進行します。スキンケアを徹底して行い、皮膚バリア機能を改善し、新たな皮膚感作を起こさないようにしましょう。

リアクティブ療法とプロアクティブ療法(ステロイド)

アトピー性皮膚炎の外用療法には、症状が出たときに治療するリアクティブ治療と、症状の出る前から予防的に治療するプロアクティブ治療の2種類があります。再発の多いアトピー性皮膚炎の場合、リアクティブ治療ではうまくコントロールしにくいため、現在では、徐々にプロアクティブ治療が推奨されるようになってきました。

次のサイトでアトピー性皮膚炎の治療を学びましょう。

九大皮膚科:外用量の適量と塗り方サイト

九大皮膚科:適切な期間、適切な範囲を塗るサイト

九大皮膚科:プロアクティブ療法サイト

原因検索について子供の食物アレルギーの予防

2017年に発表された成育医療研究センターから、アトピー性皮膚炎のある乳児に対しその湿疹をしっかり治療しながら加熱鶏卵を少量ずつ経口摂取させることで、卵アレルギーの発症を減少させることができることがわかりました。 離乳食の開始時期を遅らせたり、予防的に除去したりすることは、経口免疫寛容の誘導する機会を失うことにつながり、結果的に食物アレルギーの感作を進行させてしまいます。

経口免疫寛容を誘導する経口免疫療法はアナフィラキシーのリスクもあるため①急速免疫療法②安全な少量維持療法について次のサイトで説明されています。

経口免疫療法:成育医療研究センターサイト

鹿児島県で食物経口負荷試験医療機関のお探し方は次を参考にしてください

鹿児島県の食物経口負荷試験実施医療機関サイト

 

 

 

喘息およびアレルギー性鼻炎・結膜炎の予防

風邪ウイルスの予防と手洗い

日常生活におけるポイントとしては、乳児期に風邪の代表的な原因ウイルスである、RSウイルスやライノウイルスといったウイルス感染をくり返すと喘息を発症しやすくなるといわれています。そのため、手洗いなどを行い、ウイルス感染症を予防することが大切となります。春と秋のライノウイルスの時期には 喘息を発症しているお子さんは、前もってステロイドの吸入で気道過敏症を抑制する必要があります。ライノウイルスは消毒液の効果が乏しく石鹸と流水による手洗いが重要です。

不要な抗菌薬の使用を控える

成育医療研究センターの研究で、2歳までに抗菌薬を使用したことがある児は、5歳時の気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎といったアレルギー疾患のリスクが高まることが分かりました。一般的な風邪のほとんどはウイルス感染であり、抗菌薬は効果がないことからも、不要な抗菌薬の使用は避ける必要があります。

薬剤耐性(AMR)対策サイト

ダニ対策

アレルギーの原因となるアレルゲンが、乳児期から幼児期にかけて、食物からダニやハウスダストなどに変化していくとされています。そのため、ダニ対策を中心とした環境整備を行うことが、発症予防につながる可能性があります。ダニの最適温度25~30℃、相対湿度60~80%のため、ヒョウヒダニは湿度が高い梅雨に増え始め、7月から9月はじめにかけて増加し、死骸・フンが10~11月に増加してアレルギー症状(喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎)の原因となります

ダニ対策の実践:環境再生保全機構サイト

アトピー性皮膚炎のスキンケア

アトピー性皮膚炎を発症している場合は、皮膚を炎症がない状態に保つことで皮膚から体内にダニやハウスダストなどの吸入アレルゲンが進入するのを防ぎ、喘息・アレルギー性鼻・結膜炎の発症予防につながる可能性があるとされています。

衛星仮説(田舎で家畜と触れ合う)

北米で農耕や牧畜によって自給自足の生活を営むアーミッシュはアレルギー疾患が極端に少なく、幼少期から家畜と触れ合い、細菌を吸い込んでおり、その結果、Tレグ(アレルギーを抑える役割)を多く持つようになったと言われています。日本のように衛生環境が良くなり乳幼児期の病原体感染機会の減少がアレルギー疾患の増加に働く可能性が報告されています衛生仮説

衛生仮説は、Tレグによるアレルギー抑制説が考えられていましたが、その他にも、幼少期から家畜と触れ合い、細菌を吸い込んで低用量のエンドトキシンに繰り返し曝されることで気道上皮細胞のバリア機能が強化され感作の成立が抑制される説が、最近報告されています(Schuijs MJ,2015年Science)。衛生仮説喘息や花粉症などのダニ・スギなどの吸入抗原に対して成立し、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーには当てはまらないと推測されています。兄弟が多いご家族では、幼少時から細菌をもらうことが多い年少なお子さんは、アレルギーが少ないことをよく経験します。

 

免疫療法スギ、ダニ:アレルギー体質改善、喘息予防の可能性

舌下免疫療法とはスギ花粉症とダニ通年性アレルギー性鼻炎の体質改善のための、自宅で行う注射でない口腔舌下の治療です。次世代の新治療として期待されている治療法です。程度の差はありますが、改善率は70~80%と言われています。わが国では2018年から、ダニおよびスギに対する舌下免疫療法が5歳以上で可能となりました。舌下免疫療法(口腔保持後服用)は、従来の皮下免疫療法(皮下注射)と比べ、アナフィラキシーなどの重度の副作用がほとんどなく自宅で行う痛くない治療です。ダニアレルギー性鼻炎とダニアトピー型喘息に対して効果は舌下免疫療法より皮下免疫療法の方が効果が高い報告があります。

舌下免疫療法(スギ・ダニ)当院おしらせ)を参考にしてください。

日本での保険適応:

【舌下免疫療法の適応】スギ花粉症、ダニのアレルギー性鼻炎

【皮下免疫療法(従来)の適応】スギ花粉症、ダニのアレルギー性鼻炎、気管支喘息

どちらも重症喘息や喘息のコントロール不良では禁止

日本では、舌下免疫療法は喘息単独には適応はありませんが、海外の報告では喘息にも効果を認めています。ダニのアレルギー性鼻炎合併の喘息であれば日本でも喘息への舌下免疫療法の治療も可能となります。鼻炎や喘息のすべてに効果があるわけでなくスギやダニが特異的に関与するアレルギー気道症状に効果があります。若年者の方が、効果が高いと考えられています。アトピー性皮膚炎や食物アレルギーには効果はありません。

鼻炎と舌下免疫療法

血管運動性鼻炎(寒暖差アレルギー)②老人性鼻炎好酸球性増多性鼻炎アレルギー性鼻炎などあり、症状だけでアレルギー性鼻炎と区別できないこともあります。スギ・ダニ以外のアレルギー性鼻炎や、前述の①②③は免疫療法の効果はありません。

スギ・ダニ免疫療法はスギ・ダニのアレルギー性鼻炎のみ効果あります。

喘息と舌下免疫療法

下記の①~⑧の様々なタイプの喘息が存在し、それぞれ治療方針が異なることもあります。

免疫療法の効果が期待できるのは下記ののみです。

乳幼児期の一過性喘鳴反復群:3~4歳で寛解し、非アトピー型。自然免疫・感染が関与。

もう少し遷延する非アトピー型喘息:小学校低学年で寛解

早期発症アレルギー性のアトピー型喘息:IgE高値、乳幼児期から発症して、ダニの関与が高く、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎の合併が多い。

運動誘発性・アスリート喘息学童から増加。通常の喘息のコントロールと抗ロイコトリエン薬が効果を発揮します。気道粘膜の脱水と冷却、気道上皮損傷による気道過敏性の亢進が出現。

期発症好酸球性喘息:非アトピー型、成人発症 好酸球性副鼻腔炎合併 自然免疫が関与します。

アスピリン喘息 非アトピー型、成人女性に多く 嗅覚障害・好酸球性副鼻腔炎合併 ロイコトリエンが関与します。

肥満性喘息:年女性に多く、主に内臓脂肪が関与し、ダイエットが重要です。

肥満と喘息:ダイエットで喘息が治る?当院コラム)も参照を。

⑧好中球性喘息喫煙者に多く、大気汚染や好中球性の慢性鼻副鼻腔炎の関与が考えられ、マクロライドの効果が期待されています。ステロイド抵抗性です。

~~成人・高齢者では非アトピー型が増加~~

 

喘息発症予防の可能性

免疫療法で喘息の発症予防が可能なのか?

海外の報告では

2007年PATスタディーでは、喘息がなく季節性鼻炎(6~14歳、シラカバ・イネ科)に皮下免疫療法(3年間)を行い、有意に喘息発症予防の効果を認めています。

2018年、喘息が無くイネ科花粉症(5~12歳)舌下免疫療法(3年間)で、喘息発症予防に舌下免疫療法でも効果を認めています。

2013年アレルギーのリスクが高い3歳未満の児へのダニ舌下免疫療法では喘息発症の予防効果は認めていません。

以上のことからアトピー型のIgE高値の喘息発症リスクが高そうな学童へ、わが国で現在行われている舌下免疫療法(スギ、ダニ)が喘息発症の予防の可能性があるかもしれません。

 

参考資料

国立成育医療研究センターHP

経皮感作と経口免疫寛容 夏目 アレルギー 2019;68(7)823-829

基礎から見た衛生仮説の再考 松田 アレルギー 2019;68(1)29-34

アレルギー疾患のすべて 日本医師会雑誌

九州大学皮膚科HP

女性とめまい・ふらつき:漢方編

2019-08-17

貧血や全身状態を把握するため

女性のライフステージは、思春期、成熟期、更年期、老年期と女性ホルモンの影響をうけて年を重ねます。短期的には、月経、ホルモンの変化の影響を月単位でうけます。

女性の一生を通して男女差を意識した女性医学と外来はここ20年で広がりつつあります。

性差医療について詳しくは、当院の次のコラムを参照して下さい

女性とめまい・ふらつき・転倒サイト

 

漢方の女性医学の歴史は長く、約2000年前の漢方・中医学の古典黄帝内経には婦人病が独立して記載されています。

現在の総合病院の報告でも、女性特有の更年期障害や様々な訴えに対して漢方が第一選択になっているようです。女性の社会進出、晩婚、ストレスの関与が考えられる女性の月経異常が、2000年から2014年にかけて約3倍に産婦人科外来で増加の報告があります。今後ますます、女性特有の訴えに対して漢方治療の役割が増えると考えられます

 

👉 今回は女性に多いめまい・ふらつきに対して、ライフステージを考慮した漢方の話(随証治療を含めて)になります

 

病名処方と証を考えた随証治療

漢方を処方するとき、西洋医学の疾患名や症状から処方を選ぶこと病名処方と言います。日本の医学教育と西洋医学を中心に勉強した医師が漢方を処方するときに行っています。

心身を含めたその人の全体像を漢方の物差しで把握し、その人の証にあわせて対応すること随証治療(証にあわせて治療)といいます。日本の西洋医学を主体とした医学教育以外に自主的に日本漢方や中医を勉強した医師が行う処方です。

産婦人科の先生は、漢方を自主的に勉強された方が多いと思います。医師・歯科医・薬剤師・針きゅう師も参加できる日本で最も大きな東洋医学の組織である日本東洋医学会の漢方専門医サイ)は、随証治療を行うように努力しています。鹿児島県の漢方専門医は前述のサイトから確認できます。

当院の漢方処方の方針サイト当院HP

同病異治とは?

めまいの代表例のメニエール病の西洋医学的治療は、急性期は服出来ないとき点滴加療、内服可能なら吐き気止め、イソバイド、トラベルミン、アデホス、メリスロン、セファドールが一般的に使用され、その疾患に対して処方されます。漢方のめまい・メニエール病の病名処方では、五苓散または苓桂朮甘湯がよく処方されます。これも疾患や症状に対して病名処方になります。

随証治療では、望聞問切の診断の所見を参考に、口渇、天候の変化、自汗、尿不利に、五苓散, 立ちくらみ、動悸、神経質をあれば苓桂朮甘湯、胃弱、嘔気、冷えがあれば半夏白朮天麻湯、高齢、冷え、ふらつきには真武湯、生理前のふらつき・めまいには当帰芍薬散などその人の全体像を把握してめまい・メニエール病の疾患や症状ではなくその人に対して処方を選択します。

同じ病名・症状であっても、その人の全体像が違えば処方選択が異なるのが同病異治の意味です。随証治療で行うやり方です。

 

証を決定する漢方の物差し

陰陽五行論 肝・心・脾・肺・腎 などの臓腑のバランスを重視して対応、女性には肝(精神安定、蔵血、規則的月経)と腎(生殖、骨、思考、水分代謝)が重要です(中医学

気・血・水 気は体を巡る目に見えない生命活動のエネルギーとしてとらえます(日本漢方で重要視)

八綱:陰陽・虚実・表裏・寒熱  虚実・寒熱の判断は臨床では重要です

六病位:太陽病・少陽病・陽明病・太陰病・少陰病・厥陰病 傷寒論の急性発熱疾患への対応がもとになった考え方です

口訣:日本漢方での経験の蓄積

これらの漢方の物差しをもとに証を判断していきます

前述を見ての通り、漢方で、証を考えて対応しようとすると、一般の医師にとって難解なものになります。随証治療を行うには勉強と経験が必要になり多くの時間が必要です。私もですが漢方医学は、勉強すればするほど膨大な古典の理解も必要となり、難解なものになってきます。ゴールが見えず、大海原で宝さがしをする心境になることもあります。2000年の歴史の東洋医学を学ぶのは容易ではありません。

理想は随証治療ですが、けっして病名処方が悪いわけではありません

日本では、煎じ薬ではなく、エキス剤が普及しているため、どの医師も漢方を処方できます。煎じ薬では、オーダーメイドでその個人に合わせた生薬の選択や量を調整可能です。エキス剤は煎じ薬の70%程度の効果と考えられています。

日本では、機能的月経異常を例にとると第一選択は漢方となっています。これまでの報告では、病名処方的に当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸を用いても60~70%に有用とされています。うまくいかないときの次の一手や、もっと有効率を高めたければ随証治療を学ぶ必要があります

 

女性の成長発達老化と漢方

黄帝内経より

中国の古典 黄帝内経素問での7歳ごとの身体変化

7歳腎気活発、永久歯が生え、髪が伸びる

14歳腎気旺盛、生殖能力が備わる

21歳腎気が全身を巡り、歯がそろう

28歳身体がもっとも充実

35歳腎気が衰え始め、肌の乾燥、爪が割れやすくなり顔に皺が生じ、髪が抜け始め

42歳皺が増え、白髪が出現

49歳閉経

月経は五臓の肝の影響を強く受けます。規則的な月経で経血を輩出してお血を改善し、気の巡りをよくすると考えます。月経異常は気が巡らなくなり体のバランスを崩す原因となります

女性の7歳ごとの身体変化では腎気(生殖、骨、思考、内耳機能、水分代謝、呼吸)に強く影響うけ、(精神安定、蔵血、規則的月経)の働きも重要です。

 

思春期:女性ホルモンの急激な変化により心身のバランスが崩れやすくなります。

漢方の考えでは、肝の機能が不十分で、心身の乱れを生じやすく脾虚・気虚(倦怠感や胃腸障害)と血虚・お血(貧血、生理痛など)をベースに、水滞(立ちくらみ)・気逆(イライラ)・気うつ(落ち込み)の症状を合併することも少なくありません。

この時期、めまい・ふらつきで問題になるのは貧血起立性調節障害です。

漢方で立ちくらみ、ふらつきには苓桂朮甘湯、ふらつきと胃弱あれば半夏白朮天麻湯、月経異常を伴えば当帰芍薬散。片頭痛とめまいを伴えば苓桂朮甘湯呉茱萸湯を、ストレス・緊張・手のひら発汗あれば四逆散を、ストレスや月経異常には加味逍遥散を、抑うつで元気なければ補中益気湯を、それぞれプラスすることを考えます。動悸強く感情コントロール不良には甘麦大棗湯を追加。

詳細は当院コラム:よくわかる子供の漢方:起立性調節障害;ふらつき・頭痛・腹痛サイト)で確認を。

貧血のふらつきは鉄剤の服用を優先します。

 

成熟期:ホルモン周期としては安定していて、妊娠・出産・不妊・子宮内膜症・子宮筋腫に関連した症状や、社会参加・仕事からくるストレスから心身のバランスを崩すことになります。漢方の考えでは、血虚・お血(月経異常、肌荒れなど)や気の異常に配慮した対応をします。冷えによる不妊、生理痛、月経不順をきたしやすくなります

月経とめまい・ふらつきの関係は、月経前症候群PMS)、月経困難症、妊娠が関係します。

詳しくは、当院コラム:女性とめまい・ふらつき・頭痛サイト)で確認して下さい。

妊娠中のふらつきはつわりに関係して起こるこることが多く、妊娠中の安胎薬として古くから当帰芍薬散が使用されます。嘔気や嘔吐には小半夏茯苓湯、嘔気・気鬱には半夏厚朴湯、胃の調子を改善するには二陳湯が使われます。

妊娠時控える漢方

妊娠の時も漢方は使いやすい薬として認知されていますが、妊娠初期の過敏期はどの薬も控えた方が望ましく、大黄、牡丹皮、桃仁、紅花、牛膝、芒硝を含む桂枝茯苓丸桃核承気湯、通導散などの強い駆お血剤は控えた方がよいといわれています。

月経困難症の下腹部痛には当帰建中湯、不正出血には、きゅう帰膠がい湯、ふらつきには貧血の改善を優先します。

PMSのふらつきには水滞の関与があり当帰芍薬散、効果無ければ苓桂朮甘湯または半夏白朮天麻湯をプラス、PMSの精神症状に対してストレスと内に向けた怒りあれば抑肝散または抑肝散加陳皮半夏、訴えが変わり肩こりイライラや生理痛あれば加味逍遥散、感情的で傷つきやすい場合は甘麦大棗湯、実証で便秘あれば桃核承気湯など使用。

片頭痛は30代女性の5人に1人の割合で認めます。成熟期の片頭痛関連めまいも多いと推測されます。西洋薬では片頭痛の予防薬、めまいへはトラベルミン、セファドールが使われ、めまいリハを行います。めまいや頭痛に対して、漢方では、冷え性や心下の膨満があれば苓桂朮甘湯呉茱萸湯合方、気候と関係あれば五苓散を考えます。貧血、月経異常や肌荒れ強ければ連珠飲苓桂朮甘湯+四物湯)も候補です。

 

更年期:エストロゲンの低下による症状や女性特有の色々な訴えがでてきます。

漢方の考えでは、先天の本の腎気(生殖、骨、思考、内耳機能、水分代謝、呼吸)の衰え、うるおいがなくなり血虚(肌荒れ)、陰虚(水不足 ほてり)が問題となります。

五臓(肝、心、脾、肺、腎)の老化と密接に関連してきます。

中医学では陰は寒と水を意味し、陰虚とは、水が不足し火が興り、熱(虚熱)が生じ、

血虚+熱を意味します。

更年期の対しての3大処方(当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸)を中心に組み立てます。

めまい・ふらつきあれば、苓桂朮甘湯または半夏白朮天麻湯をプラスします。自律神経症状が強ければ苓桂朮甘湯+加味逍遥散、虚弱と冷えが強ければ半夏白朮天麻湯+当帰芍薬散とします。口渇、皮膚口唇乾燥、手足のほてりあれば陰虚の進行を意味し、四物湯加減(連珠飲など)、温経湯、滋陰至宝湯六味丸など補腎剤を検討します。訴えが変わり易い肩こりめまいには加味逍遥散、いつも訴えが同じののぼせ・めまいに女神散も考えます。倦怠感(気虚)を兼ねる場合は補中益気湯を兼用します。

 

老年期:60歳を過ぎればエストロゲンは男性より低下します。骨量や記銘力の低下、脳血管・心疾患の罹患率に上昇、筋肉量が低下し低栄養をきたします。身体の虚弱化(フレイル)への対応が必要です。詳細は当院コラム(女性とめまい・ふらつき・転倒サイト)で確認して下さい。

漢方的には、五臓の老化、特に腎・脾(消化機能)の衰えと密接に関係してきます。エネルギーの生成が不十分で気血両虚を生じます。冷えふらつきには真武湯、倦怠感強ければプラス人参湯茯苓四逆湯)、下肢冷え夜間頻尿ふらつきには、胃が丈夫なら牛車腎気丸(利水あり)または八味丸。フレイル(栄養悪化、筋力低下)のふらつきには、気血両虚として十全大補湯、遠志が入った人参養栄湯を考えます。

めまい発作が強ければ苓桂朮甘湯または五苓散、その後の脾虚・気虚を補うため半夏白朮天麻湯。補腎薬を入れて牛車腎気丸プラス苓桂朮甘湯または半夏白朮天麻湯として対応することもあります。

 

メニエール氏病の漢方治療

耳のめまいの病気のメニエール病は内耳のリンパ水腫でめまいを起こす疾患です。内リンパ水腫を起こす理由はまだわかっていません。メニエール病はストレス、睡眠不足、几帳面との関与が大きい疾患です。月経はメニエール病の誘発因子となり、更年期障害と合併しやすいと考えられています。メニエール病の誘因や背景から、最初から内リンパ水腫、水滞に陥るのではなく、睡眠障害、交感神経の緊張、それによる項頚部の筋の緊張、局所の微小循環の悪化、ホルモンのバランスの乱れが背景にあると思われます。

メニエール病の誘因や背景から、漢方的には、発作は水滞誘因と慢性化因子はお血と気の異常とも考えられます。

中医学では、気には推動作用があり、血の流れを良くします。気の異常があれば血の流れが悪くなりお血になると考えます。

急性期のめまいに対して、回転性のめまい持続時間10分程度から数時間程度ですので、西洋的治療を優先させ、点滴加療などを行い、漢方で、初期は利水剤の五苓散苓桂朮甘湯、柴苓湯、沢瀉湯(エキス剤はありません)など使用し、嘔気やめまい・ふらつきが持続すると虚証に変化していき、利水と補気を兼ねた半夏白朮天麻湯などに変更することもあります。気の異常が強い方は、補気も兼ねる抑肝散加陳皮半夏補中益気湯・六君子湯も変更の候補です。

この疾患は反復するので予防が重要です。生活習慣の改善、睡眠指導、軽く汗を流す運動をすること、飲水指導を行います。めまいの誘因と考えられる睡眠障害、交感神経の緊張、それによる項頚部の筋の緊張、局所の微小循環の悪化、ホルモンのバランスの乱れや年齢などの背景を考え、前述の漢方の物差しを参考に、お血と気の異常を中心に、その人の証に合わせた漢方的対応を考えます。めまいは長引けば予期不安やめまい恐怖症をおこしやく不眠対策や心因性のめまいへの対応も必要です。心因性のめまいへの漢方的対応は、五臓の心・肝・脾、冷え・裏寒、気血水のお血、気虚・気鬱・気逆などから証を見極め対応します。

 

緊張性頭痛のふらつき・めまいの漢方治療

肩こりのため頭部の位置情報が、視覚前庭に入る情報とのミスマッチが生じ、肩こりでふらつきが出現すると考えられています。

頭痛・肩こり改善のため、運動・頭痛体操・正しい姿勢・こまめな休憩・入浴など生活習慣の改善を指導します。

肩こりや緊張性頭痛に対しての漢方治療では、急性期は葛根湯関連(葛根湯、桂枝加葛根湯、葛根加朮附湯)や川きゅう茶調散、胃弱には桂枝人参湯、朝の頭痛・結膜充血・高血圧には釣藤散、口渇・気候の変化や水滞の関与の頭痛には五苓散、頭痛、冷え・陰証・心下の膨満感あれば呉茱萸湯、胃弱・嘔気なく冷えが無い肩こりは半夏瀉心湯を使用します。側頸部にかけての頭痛・肩こりには柴胡剤含有漢方薬や駆お血剤で対応します。

反復すれば証にあわせて、気虚には補中益気湯、お血には桂枝茯苓丸、血虚には四物湯、神経質で更年期には加味逍遥散などの兼用も考えます。

女性で肩こり関連のふらつき・眩暈にも前述の対応が適応されます。

漢方的には水滞の関与が強くなるので、苓桂朮甘湯、半夏白朮天麻湯、真武湯、五苓散などの利水剤を加えた対応を考えます。

ENTONI 2019年3月号に、群馬県の竹越耳鼻咽喉科院長から肩こり関連めまいへの西洋医学的病態を考慮した病名処方が報告されています。改善率も高く興味深い内容でした。

内容(竹越の報告から)

肩こり関連めまいは

  • 肩こり
  • 低血圧
  • 血行動態性椎骨脳底動脈循環不全(H-VBI)

の3者が合併

女性は筋肉量が少なく肩こりと低血圧が起こり易く、診療所では8割が女性(20~60代)。

肩こりによる交感神経過緊張から血管収縮による循環障害(H-VBI)が生じ、低血圧がH-VBIを悪化させめまいが生じる。

ストレス疲れやスマホ・パソコン業務が悪化要因

漢方的対応

桂枝加苓朮附湯が基本処方

収縮期血圧110mmHg以下や立ちくらみあれば

昇圧を期待して補中益気湯を併用(生薬の柴胡・升麻は升提作用あり)

血圧正常で頭痛・肩こりが強い場合はH-VBIの要因と考え釣藤散を併用

ストレスなら釣藤散、よりストレスが高度な時は抑肝散加陳皮半夏併用、疲れには補中益気湯を併用

上記の方法で14日以内の改善例が87% (47例/54例)

 

参考資料

女性の漢方 小川 中外医学社

耳鼻咽喉科と漢方薬 ENTONI 2019年3月 全日本病院出版社

医療用漢方製剤の使い方 菊谷 南山堂

女性疾患を支える漢方薬 漢方医学2018 Vol.42 No.1 株式会社協和企画

耳鼻咽喉科編 漢方と診療 Vol.1 No.4 東洋学術出版社

中医臨床 耳鼻咽喉科疾患 2012年12月 東洋学術出版社

はじめての漢方診療 三潴 医学書院

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