吉耳鼻咽喉科アレルギー科 -鹿児島市 川上町

アレルギー・漢方・小児耳鼻咽喉科&感冒・せき・声がれ・咽頭痛・口呼吸・喘息・めまい・耳鳴・難聴・補聴器・嗅覚/味覚障害・睡眠時無呼吸・頸部・甲状腺・禁煙治療・高齢者の飲み込みの問題・成人用肺炎球菌・インフルエンザワクチンなど幅広く対応できる体制をとっています。

スギ花粉症の低年齢化

2024-01-21

2019年では、子供5~9歳のスギ花粉症有病率は、20年前の4倍増加 全国平均では約30%。成人では約50%弱。

 

スギ花粉の20年間の年齢別増加率

有病率の比較:年齢層別・20年間隔の比較

 

乳幼児(0~4歳)2019年3.8% 20年前約2倍

子供(5~9歳)2019年30.1% 20年前の4倍 小学生の増加率が顕著

年長・思春期(10~19歳)2019年49.5% 20年前の2.5倍 

最も多い年齢層(中高生)

成人(20~59歳)2019年45~48% 20年前の約2

中高年(60~60歳)2019年36.9% 20年前の3.5

高齢者(70歳~)2019年20.5% 20年前の約4倍 高齢化による増加

 コメント

スギ花粉症は、20年前は20%程度の成人の有病率でしたが、2019年の成人では約50%弱となっています。学童の増加が顕著で、中高年から高齢者の増加率も多くなっています。中年以降の増加はより若い年齢で発症した人たちの加齢による移行と思われます。増加の主体はより若い世代にあります。

鹿児島の場合、2019年で、有病率は18.2%程度で、全国の中でも少ない県になっています。

 学童から思春期および若い世代の増加に抑制をかけないと今後もっと増加すると思われます。スギ花粉症の自然寛解率は12%程度(10年間:20-40歳)と低い報告ですので本質的な対応が早急に必要とされています。

 

なぜ増加?

乳幼児からの皮膚感作

スギ花粉症もアトピーや食物アレルギーが増加しているのと相関

アレルギーマーチの流れで発症 乳幼児からのスキンケアが重要です。

アレルギーマーチの予防と対策:当院HPを参照

 

乳児湿疹・アトピー性皮膚炎食物アレルギー気管支喘息・アレルギー性鼻炎・結膜炎順に成長につれて発症し、アトピー性皮膚炎・乳児湿疹がアレルギーマーチの出発点であるとされています。

アトピー性皮膚炎の1/3に気管支喘息を発症、1/2にアレルギーマーチが続発すると考えられています。アトピー性皮膚炎があると、アレルギー性鼻炎2~3倍、喘息2~3倍、食物アレルギー6倍のリスクがあります。

アトピー性皮膚炎の乳幼児早期発症重症・持続性やアレルギー疾患の家族歴があるとアレルギーマーチが発症しやすくなります

近年小児のアレルギー疾患が増加する中で、このアレルギーマーチの発症、進展を予防することが重要な課題となっています。

ダニ対策

アレルギーの原因となるアレルゲンが、乳児期から幼児期にかけて、食物からダニやハウスダストなどに変化していくとされています。そのため、ダニ対策を中心とした環境整備を行うことが、アレルギーマーチの予防につながる可能性があります。

腸内環境の改善

科学的根拠はまだ、不十分な領域ですが、一般的には、ヨーグルトなど腸内環境を整えるとアレルギーなど色々な病気の予防や改善につながるのではと期待されています。

科学的にはビフィズス菌が産生する酢酸は酪酸生産菌の栄養源となり腸内の酪酸生成を促します。酪酸は制御性T細胞の活性を促進してアレルギーを抑制すると考えられています。実際、アトピー性皮膚炎の予防・改善目的で、ヨーグルト、オリゴ糖など使用されています。以下に述べる衛生仮説との関連していますが、幼少期の感染症ではない外来微生物にさらされると消化管粘膜の制御性T細胞が活性されアレルギー症状における免疫寛容(アレルギー反応をおこしにくくすること)および抗炎症の役割を担っているという考えがあります。

 

 

 

鼻腔粘膜・気道感作

アレルギー性鼻炎 喘息など半分以上はアトピー性皮膚炎や乳児湿疹が無くても発症しています鼻・気道粘膜からの感作が考えられます。スギ花粉飛散の直接の回避が重要。

若年からスギ飛散にさらされるとスギ花粉症のリスク高まります。春生まれの赤ちゃんは花粉症発症リスク高くなります。

学童では、スギ花粉症シーズンのマスク着用で、スギ花粉症発症率低下が、最近報告されています。低年齢から、スギに暴露されるとスギ花粉症になりやすいことがわかります

衛生仮説

先進国では、微生物や寄生虫がいなくなり免疫のバランスが乱れ、アレルギーの増加、自己免疫疾患が増加しています。

米国の農耕民族のアーミッシュは、アレルギーの発症は1/10。年長児から、鼻水など感染源の微生物などをもらうことが多い末っ子はアレルギーが少ない

外国の大規模調査(2019年)の結果、1歳前に家畜小屋に出入りして、搾りたての生乳を飲んだ子供はアレルギーの発症が有意に少ないことがわかりました。1歳以降の同様の体験ではアレルギー発症の予防効果は弱くなるようです。

家でのゲーム、タブレット鑑賞より、幼少時からの外遊び 土いじり、田舎での生活も必要です。

 

抗生剤の頻回使用や帝王切開は喘息のリスクと関連

2歳までに抗菌薬を使用したことがある児は、5歳時の気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎といったアレルギー疾患のリスクが高まることが分かりました。一般的な風邪のほとんどはウイルス感染であり、抗菌薬は効果がないことからも、不要な抗菌薬の使用は避ける必要があります。

感染対策で手洗いしてもアレルギーが増えるわけではありません。し過ぎると手荒れの原因にはなりますので、皮膚感さによるアレルギーの原因の可能性はあります。手洗いのし過ぎはよくない

👉 どうしたらよいのか

スギ舌下免疫療法で体質改善(スギ花粉症自然寛解率12%程度 少ない)

舌下免疫療法(スギ、ダニ)当院HPを参照

スギ飛散シーズン中は、スギに暴露されない生活を送る マスク着用も一つの選択肢

マスクで発症予防:小学生スギ花粉症:当院HP

若年からスギ飛散に遭遇しない生活をする

幼少時からのスキンケア

継続した外遊び、乳児期から農家の生活も体験

不要な抗菌薬使用控える

ダニ対策

腸内環境の改善:オリゴ糖、ヨーグルトなど食べる

など総合的な対応が必要です。