2024年春スギ花粉症はどうしたらよいの? 鹿児島
舌下免疫療法など体質改善は数年以上かかるため間に合いません。
免疫療法の希望者はスギ花粉が終了してから開始します。飛散中に開始すると副反応が強く出る可能性があるためです。現在、維持量で継続中の方はこのまま継続して問題ありません。
➡まず気象庁などの飛散開始日を確認しましょう。
気象庁のHPによると
鹿児島市は、2月中旬ごろが飛散開始日となっています。鹿児島の北部から北の九州方面はは2月上旬です。
今年はエルニーニュ現象の影響もあり暖冬の冬になりそうです。
奄美の桜の開花が例年より3日早くなっています。今年の冬は1月17日現在、例年より平均2.5度高いようです。
暖冬であれば、予想より少し早く飛散開始の可能性がありますので、早めの準備が必要です。
➡初期療法を考えましょう 当院HP『早くから始めるスギ花粉症治療;初期療法』を参照
スギ花粉症の方の1/3程度は飛散開始日前に軽い症状を感じています。
*通常は、飛散開始予測日の1週間ほどから服薬など開始します。
*または飛散開始前後で症状を感じてすぐに開始します。
➡スギ花粉の回避策や回避行動を行います
めがね、マスク着用、花粉が飛びやすい時間帯の外での行動を控えること
【花粉飛散情報の要注意日】
1:天気が晴れまたは曇り
2:最高気温が高い
3:湿度が低い
4:やや強い南風が吹き、その後北風に変化したとき
5:前日が雨
以上から、前日または当日の未明まで雨で、その後天気が急に回復して晴れ、南風が吹いて気温が高くなる日が要注意日となります。
1日のうち飛散の多い時間帯:正午~3時頃 夕方(地域によって差があります)の外出をなるべく控えましょう。外出しやすい時間帯は8時PM~10時AMごろとなり 外活動は午前に済ませます。 洗濯の外干しは控えます。
➡スギ花粉飛散情報が重要となります
九州地区のスギ、ヒノキ花粉 手間がかかる従来の方法で測定 信頼性が高いデータです。週末は休みです。
週刊予報 PM2.5 天気などと総合的に判断できる情報満載。
ポールンロボによる機械で測定するためリアルタイムで情報提供 当日のWeb症状アンケートも記載されます。
➡鹿児島での例年の花粉飛散の動きを把握します。
鹿児島は関東圏など比較すると、飛散が早く減少する県です。
2019年の全国調査では、鹿児島県のスギ花粉有病率は約20%程度、東京等の関東圏では約50%程度ですので全国的に患者数は、かなり少ない県になります。もっと少ない県は、スギ花粉がほとんどない、沖縄、北海道および奄美などです。
鹿児島のスギ花粉症だけの影響は、例年2月中旬から3月中旬ごろまでで、3月中旬以降はヒノキ花粉に少しずつ移行します。
約一ヶ月程度つらい時期ですが、関東圏では2か月程度つらい時期を覚悟しなければならないようです。鹿児島の場合、飛散開始後7~10日頃に花粉飛散のピーク(本格飛散)を迎え、このピークが2-3週持続して少しずつ減少していきます。
ピークになると、初期療法で行った治療では効果が期待できない方が増えますので、専門医での治療が必要になります。
当院クリニックでは、例年は特に2月下旬から3月上旬は、スギ花粉症の患者さんで、特に込み合います。外で活動が多い方や、鹿児島県外や関東圏などに行かれる方は症状が強く持続も長くなるので特別注意が必要です。
➡3月になりスギ花粉症の後半は、通常の花粉症症状以外にも注意が必要!!
副鼻腔炎、咳、喘息、皮膚炎など合併して幅広い対応が必要になる方が増えます。
スギ花粉症が長くなると、くしゃみ、鼻水、鼻閉、目の痒みのような典型的な症状以外の病状が出現してきます。
鼻副鼻腔炎の合併、咳や痰の増加、咳喘息・喘息が悪化する方が増えてきて、花粉がつきやすい目の周囲や顔に花粉皮膚炎も発症しやすくなってきます。
合併症が増えてくれば、単純に、スギ花粉症の治療を行っても効果は期待できません。
鼻副鼻腔炎の治療、喘息に準じる治療、アトピー性皮膚炎に準じる治療が必要になってきます。眼・鼻・のど・呼吸器・皮膚それぞれ臓器別に治療を行うのではなく、アレルギー全般および上下気道のアレルギーとしてとらえ治療を行い、感染症の合併も考えなければなりません。