吉耳鼻咽喉科アレルギー科 -鹿児島市 川上町

アレルギー・漢方・小児耳鼻咽喉科&感冒・せき・声がれ・咽頭痛・口呼吸・喘息・めまい・耳鳴・難聴・補聴器・嗅覚/味覚障害・睡眠時無呼吸・頸部・甲状腺・禁煙治療・高齢者の飲み込みの問題・成人用肺炎球菌・インフルエンザワクチンなど幅広く対応できる体制をとっています。

インフルとコロナどちらが怖い

2024-02-04

コロナ5類以降後、様々な感染症で混沌

2023年5月コロナ5類以降後、感染症の流行が、2019年までの常識が通じなくなっています。集団免疫(人口の一定割合以上人が免疫を持つことで流行抑止)の低下もあり、インフルは夏からずっと増加、タイプもA型が2種流行、B型が2024年早々から増加。他の通常疾患の感染症(溶連菌、プール熱など)も増加、致死率が高い人食いバクテリアと呼ばれる劇症型溶連菌感染も増加しています。溶連菌とプール熱のキットが不足して注文しても入ってこない状態です。咳止めが薬局で不足して入ってこないようです。

発熱などでクリニック受診すれば、インフル・コロナ同時迅速検査が行われます。2024年早々からコロナはオミクロンの変異株の免疫逃避が高いJN.1など増加しています。しかしコロナに関しては、オミクロン前の致死率が高い状態にはなっていないようです。

👉 2024年現在、インフル コロナどちらが、怖い病気でしょうか

2022年前半のオミクロン初期では

インフルエンザと新型コロナの死亡者数の差は69歳以下では大きくない

新型コロナの軽症化

オミクロン株では以前のコロナと違い、肺炎、血症症、嗅覚味覚障害は低下して、咽頭痛、嚥下障害、ひどい喉頭炎が多く喉頭蓋炎(緊急入院する疾患)を呈することもあります。食事摂取できず体力が低下して持病の悪化による誤飲性肺炎、心不全などの合併症での悪化が目立つようになっています。コロナの死亡者は80歳以上の割合が目立っています。

新型コロナの罹患率は高いが、症状について一部の方を除き軽症化していて、当院は耳鼻咽喉科のこともあり、発熱が無く咽頭痛程度の方が多く自分がコロナとは思って受診されない方が多くいます。

2020年初期の新型コロナの致死率が高く(80代 15%、70代 8%)、恐れられた疾患でしたが、時を経て2022年以降オミクロン株に代わり、感染力は高くなっているが、死亡率は低下して インフルとほぼ同等に近い死亡リスクに変わってきました。

 

初期のオミクロンとコロナ流行前のインフルの死亡率の比較報告

2022年8月奈良県立医大の報告で

初期オミクロン株が主流となった202215日~75日の調査では以下のことが判明

インフルエンザと新型コロナの死亡者数の差は69歳以下では大きくない

乳幼児学童の死亡率はコロナよりインフルの方が少し高い

70歳以上高齢になると死亡率はコロナの方がインフルより約2倍高くなっています。

70歳以上では、インフル・コロナともに死亡率は急増してともに20代と比較しておよそ100倍以上の増加。

インフル・コロナとも80歳以上になると70歳代の約5倍程度の死亡率に跳ね上がります。

ワクチン接種率が向上して死亡率の低下あり

オミクロン以降も小児は軽症が多い、オミクロン以降2022年から稀だがコロナによる小児の死亡例もあり

 

2023年5月コロナ5類以降 コロナとインフルの比較では

子供たちはインフルエンザの方が怖い

高熱を伴うことが多いインフルの方が辛く感じる方が多い

体力が落ちた高齢者は、インフル・コロナ両方怖い

コロナ:オミクロン株での咽頭痛・喉頭炎が軽症化している

コロナは高熱が出ない方も多く、コロナの自覚なく受診する方が多い

 

新型コロナは、重症化の徴候はなく、5類以降後 臨床現場ではコロナよりインフル患者の方が、高熱患者が多く子供を中心に入院適応になる場合があります。

コロナは、咽頭痛が強く発熱がない患者が多いため、自分がコロナの自覚なく受診される場合を多く認めます。

当院は耳鼻咽喉科クリニックため、若年者から比較的若い方の受診が多く、また比較的元気な高齢者の受診が多いためか、2023年以降コロナで入院になる方はいません。オミクロン前半期のようなひどいコロナ喉頭炎や喉頭蓋炎(緊急入院する疾患)を診察することはなくなりました。

子供の急性脳症の変化

 急性脳症もコロナよりインフルが多い

コロナ渦でコロナのオミクロン関連脳症増加するも2023年は減少して代わりに、インフル脳症が最も増加、ヘルペス脳症、ヒトパレコ脳症など増加

急性脳症の8割は15歳未満で、特に5歳未満の乳幼児が50%程度と小児救急3大疾患の一つで、中枢性の後遺障害を残すことを多く認めます。

以前からインフルエンザ脳症が最も多く コロナ渦では逆に脳症が減少して2022年のオミクロン関連の脳症が増加していました。2023年のコロナ5類以降後コロナ関連脳症は減少するもインフルや他の感染症の流行ともに、インフル脳症が最も多くなりその他にはヘルペス脳症、ヒトパレコウイルスによる脳症が増加しています。

 

コロナ5類以降後は、風邪は万病の元の考えが重要

コロナ5類以降後は、当院耳鼻咽喉科の緊急入院は コロナ以外の患者がほとんどです

現在の怖い病状は、通常の風邪症状から、その本人の睡眠不足、不摂生、疲れ、ストレス、または糖尿病などの生活習慣病の問題もあり、体力・免疫が落ちこじらせ、大病となった状態です。

昔から風邪は万病の元と言われることが、コロナ5類以降の感染症の重症化の流れと似ています。

2000年ほど前の、中国の医学書の黄帝内経に風者百病之長也(風邪は万病の元の意味)昔の中国では外からの悪い物が入ってくると様々な病気を引き起こすと考えられていました。現代も風邪ウイルス・細菌・コロナ・インフルがやってくると様々な病気を引き起こします。昔は栄養状態が問題だったと思われますが、飽食の時代の現代は生活習慣病・ストレス・不眠・疲れなど現代特有の内面的な要素による免疫の低下が問題です。

いつも言われることですが、十分な睡眠、適度な運動、バランス良い食事と手洗い・換気・必要時のマスク、それにワクチン接種が重症化予防の最も大事なことです。最近のコロナワクチンの接種率は、高齢者50% 全体で20%のようで以前の80%以上だった時からかなり低下しています。今後、無料でなくなればもっと低下すことが予測されます。