コロナワクチンのアナフィラキシーが、女性になぜ多い?(対応)
コロナ禍の東京オリンピックが始まりました。デルタ株中心の変異ウイルスが急速に広がってきています。今後、若い方の接種券が配布され、12歳以上の方の接種が増えてきます。若い方は、重症化は低く副反応は強く出るため、高齢者より打ちたくないと思っている方が多くいます。子どもさんに打たせたいかの島原市の報告では、希望する、どちらともいえないがそれぞれ4割、希望しないが2割と反応は分かれています。
7月22日テレビ長崎で、長崎大学の森内教授(小児科)は、『健康な子供は急ぐ必要はない、周りの大人の接種を優先してハイリスクの子供たちは重症化予防のため推奨、子供は重症化しにくく後遺症も残りにくいことを理由にあげる。接種するときは、子供の場合、ストレス反応(迷走神経反射など)が起こり易いので集団接種より個別接種を』すすめています。
18才~30代の活動的で行動範囲が広い年齢層の方は集団免疫の視点およびコロナ後遺症のことを考えるとできる方は接種が望まれます。比較的若い方女性に多いアナフィラキシーや若い男性に報告されている心筋炎(接種後4日程度までの胸痛・息切れ)の問題が懸念されています。
👉 アナフィラキシーは、ゼロではありませんが稀です!! -<正しい情報で判断を>-
◆コロナワクチンのアナフィラキシーの日本のデータから
(ファイザー製コミナティー中心)
『アナフィラキシーの日本での報告 厚労省7月21日から』
20~60歳の女性が中心で、女性が9割以上占めています。 60歳以上は極端に少なくなります。男性も8%程度認めています。男性は、20歳以上各年齢層で認め 20~50歳未満が少し多くなる傾向があります。応急処置が行われ多くは軽快。
当初日本では、比較的若い女性が多い医療従事者中心の報告及びアナフィラキシーの判断基準の問題のため、アナフィラキシーが多く報告されていましたが、世界基準のブライトン分類のレベル1~3(本当のアナフィラキシー)で判断すれば、最近の報告では多くなく(100万回あたり6件 7月21日)、諸外国並みのデータです。抗生物質(100万回あたり100~500件)に比べると極めて少ない。一般的にワクチンによるアナフィラキシー頻度は 1.3/100 万接種とされています。
厚労省の7月21日のアナフィラキシーの報告では、
レベル4(ブライトン分類でアナフィラキシーと判断できない)が約80%報告されています。現場では、アナフィラキシーの一歩手前やアナフィラキシー類似の迷走神経反射・ストレス反応・自律神経症状など多く起こしていることが推測されます。
レベル1~3の報告でアレルギー既往の申告があったのは20%程度です。
本人にアレルギーの自覚がなくても起こっています。アナフィラキシーは2回目より1回目に多いので、事前の判断が必要ですが、予測することはきわめて難しく、接種数日前から体調を整え睡眠をよくとり前日は飲酒を控えめにするなど考えましょう。
☞ 接種当日の飲酒・運動は控えめに
接種前日の痛み止め・風邪薬・抗ヒスタミン薬は控えます。他の疾患に対して投与中の場合は中止する必要はありませんが、接種できるか当日に予診医に判断してもらいましょう。原因物質として推測されているPEGのIgE抗体を簡易に測定する方法は確立されていません
最近問題になっている心筋炎の発症は2回目の方が多くなります。日本の厚労省の心筋炎・心膜炎の報告では、各年齢層および女性も多く報告されています。今後、心筋炎に関してはまとまった日本の報告が待たれます。
【用語説明】
*レベル4とは十分な情報は得られておらず、症例定義に合致すると判断できない。
*レベル5とはアナフィラキシーではない
☞ 厚労省のデータはこちら
<女性にアナフィラキシーが多いことから>
👉 仮説ですが、ワクチン成分のポリエチレングリコール(PEG)の経皮感作の可能性を指摘!!
mRNAによる影響などわかっていないことも多くあります。
PEGは女性の皮膚のエイジングケアで使用される化粧品などに含まれる成分です
経皮感作とは、ある物質を繰り返し皮膚に使用すると体はある物質を異物と認識して、ある物質を食物などとして体内にいれると体にアレルギー反応を起こします。湿疹やアトピーがあると経皮感作が成立しやすくなります。普段からの余計なものが入らないシンプルな保湿剤でのスキンケアは重要です。
➊ 赤ちゃんのピーナツアレルギー(海外)
2003年に、世界最初の経皮感作の研究報告です。湿疹がある乳児にピーナッツオイルを塗るとピーナッツアレルギーが増加します。その後、ピーナッツを離乳早期から食べるピーナッツアレルギーは少なくなる(経口免疫寛容)ことがわかってきました。現在では離乳早期から卵など除去せず、できる範囲で食べることが推奨されています。
❷ 茶のしずく石鹸の例(日本)
日本で有名な経皮感作の報告は、2009年、茶のしずく石鹸(加水分解コムギを含む)使用した人から、パスタや小麦食品を食して小麦アレルギーやアナフィラキシーが多く報告され、2011年にはメーカーは自主回収することになりました。
これらの出来事は経皮感作の有名な出来事です。
【女性の肌のエイジングケア】
ワクチンのアナフィラキシーは20~50歳代女性が9割近く占めるため、化粧品に含まれるワクチン成分のPEGの経皮感作が原因ではと推測されています。経皮感作は皮膚へ問題物質を使用しなくなると長期には食物アレルギーは起こしにくくなる可能性が報告されています。
女性は、肌のエイジングケアを20代後半から始める方が最も多く、20代前半から行う方が増加してきます。女性が長期によく使う傾向の化粧品やシャンプーに使われているワクチンの成分のポリエチレングリコール(PEG)が原因の一つとして疑われています。自分が使う化粧品などの裏にPEGの記載がないか確認してみましょう。
推測される機序
PEGは、医薬品では、マクロゴールとして軟こうや座薬のほか、内服薬に含まれていますので知らないうちに体内に取り入れていますが、問題ないことがほとんどです。 PEGを含む物を皮膚に繰り返し使うと、免疫が働いてアレルゲンとして認識し(経皮感作)、体内で抗体が作られる場合があります。ワクチン接種は筋肉注射なので血中濃度も急速に上昇するためPEGを取り入れた際、通常のPEGの取り入れ方よりアナフィラキシーを起こす可能性が高くなることは推測されます。
研究機関以外では、残念ながらPEGに感作されているか前もって調べることはできません。
👉 事前にアナフィラキシーを予測できない!!
👉 当日、待機中の急速に進行する接種2~15分の軽い初期症状を見逃さない!!
◆注意すべきアナフィラキシーの初期症状
急速に進行する全身発疹 ゼーゼー音がする 口唇の腫脹 意識血圧低下などは、本人も周りもすぐにアナフィラキシーを疑う症状ですが、
現場では、接種2分以降に急速に進行するいつもと違う軽い早期症状を本人が自覚して訴える事が大事です。
早期に判断して早めのエピネフリンまたはエピペンの筋注が必要です。
☞ 軽いマイナー症状として(急速進行が条件)
具体的には、急速に進行する風邪症状や花粉症の症状に注意!!
【呼吸器系】
*くしゃみ、鼻水、咳
*声がれ
*咽頭閉塞感
【皮膚・粘膜】
*全身ちくちく痛む感じ(口唇・舌の痛み含む)
*全身掻痒感(発疹なし)
*眼の充血・掻痒感
*接種部の発赤・蕁麻疹
*赤ら顔
【消化器】
*腹部症状(下痢・腹痛・悪心・嘔吐)
【循環器】
*頻脈
*意識がはっきりしない
(接種1分以内に、青ざめて冷や汗で意識低下は、アナフィラキシーではなく迷走神経反射)
迷走神経反射は、足を高くして横にするだけで改善に向かいます。アナフィラキシーは横にすることが重要ですが、それだけでは改善しません。
軽い症状でも各器官複数重なればアナフィラキシーとなります。ブライトン分類のレベル3アナフィラキシーは、上記各器官の軽い症状三つ以上となっています。
抗ヒスタミン薬や風邪薬を服用すると、このような初期のマイナー症状に気づかずアナフィラキシーの発見が遅れることがあります。但し、他の疾患に対して投与中の抗ヒスタミン薬を中止する必要はありません。
◆接種する前の注意点と対応
接種不適当者 添付文書から
〇明らかな発熱を呈している者
〇重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
〇本剤の成分に対し重度の過敏症の既往歴のある者
〇上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
接種要注意者
〇抗凝固療法を受けている者、血小板減少症又は凝固障害を有する者
〇過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
〇心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
〇予防接種で接種後 2 日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
〇過去に痙攣の既往のある者
〇本剤の成分に対して、アレルギーを呈するおそれのある者
具体的には
*接種数日前から体調を整えること 当日は、飲酒・運動は控えめに
*喘息・アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎ではアナフィラキシーの発症リスクは変わらない。
*特定の食物・ペット・ハチ・ダニ・スギ・ラテックスアレルギーでも発症リスクは変わりません。
*PEG(ファイザー・モデルナ製)と交差反応があるポリソルベート80(アストラ製)の過敏症の方はできません。
*アナフィラキシーの既往者や類似症状の経験者は、担当医に相談を。
*抗凝固療法を受けている者、血小板減少症又は凝固障害を有する者は筋注後2分以上圧迫します。担当医とも相談を。
*喘息があればコントロールを十分に行う(副反応時の症状を悪化させます)。
アスピリン喘息がわかっていれば申告しましょう。
イブ、バファリン、ロキソニン、ボルタレンは禁止です。
アセトアミノフェンも300mg以下の少量にします。
*膠原病・リウマチ・免疫疾患・悪性疾患の治療者は担当医に接種の可否を確認すること。
*薬服用者は薬手帳を準備する。
(βブロッカーの降圧薬は、アナフィラキシー時のエピネフリンの効果を減弱するが効かないわけではありません)
*授乳・妊婦の方も問題ないとなっています。但し、妊娠3ヶ月までの方は担当医と相談を。厚労省のQ&Aから
*高齢で体力・活動が低下して食事もとれなくなっている方は、予備力が低いことが想定されるため担当医と相談
(ノルウエーで、余命が短い方が入居する高齢福祉施設で接種後の死亡が多数報告されました)
👉 痛み止めは服用してよいのか、いつ何を服用する?
◆痛み止めの服用について
接種前・接種時の痛み止めの使用は勧めません。
効果を期待する抗体の上昇に影響を与えるかもしれません。イブやロキソニンはアレルギー反応を助長することが稀にあります。他の疾患に対して投与中の場合は中止する必要はありませんが、担当医と相談を。
接種後の痛み・発熱に対してアセトアミノフェンを勧めます。
アセトアミノフェンも肝機能障害の報告があります。効果が期待できない方は、接種後であればイブ・ロキソニンの使用は問題ありませんが、胃腸障害・腎障害がある方は注意して服用して下さい。
アスピリン喘息がわかっている方は、イブ、ロキソニン、ボルタレンは禁止です。アセトアミノフェンも300mg以下の少量にします。
妊婦さんにはアセトアミノフェンを勧めます。