若年者の血管迷走神経反射(脳貧血)を防ぐには!!(コロナワクチン)
デルタ変異株前までは、若年者の重症化率は低く、感染者も多くなかったのですが、最近は変異株の流行により、十代のお子さんたちの感染が増えてきています。感染すれば軽症でも後遺症の発症が心配になります。変異株でも若年者の重症化率はまだ低いようですが、今後、新学期が始まり、インフル同様に地域社会や家族内での感染率上昇に多大な影響を及ぼしていくと思われます。
若年者は免疫反応が強いため、副反応が中高年より少し強くでることをご理解の上で、不安を感じながらも接種を希望されていると思います。新型コロナワクチンの接種をされるお子さんやご家族の気持ちを大切に、我々医療従事者も対応していきたいと思っています。
◆若年者に注意が必要な血管迷走神経反射(バタッと床に!!)
成人と違い十代は、ストレスや緊張で、血管迷走神経反射が出現することが多くなります。血管迷走神経反射は、命にかかわることはありません。
具体的には、医療機関では、緊張感で採血中に気分不良で顔が青ざめて気が遠くなることはよく経験します。学校では、校庭で長く立っていると意識が一時的になくなり倒れることもあります。接種当日、睡眠不足や体調不良、不安・緊張が強いと起こす可能性が高くなります。
立位や起立時に、立ちくらみや一時的意識消失をおこすと、不用意に倒れて頭部や顔面打撲のため外傷を負うこともあります。
◆医師の問診で接種可能かの判断!!
当日、発熱や体調不良があれば接種は出来ません。
稀な、アナフィラキシーが出る可能性があればできません。
接種に対する不安・緊張が強い場合も、医師による問診で接種不可と判断されることがあります。
👉 ネットでは、若年者の副反応に対する不安をあおる情報が反乱!!!
接種に対する不安が強い状態で来院されると好ましくありません。
【不安を解消するための情報として】
☞ 当日の接種そのものはあまり痛くありません。
痛みは、インフルエンザの接種と同じかそれより痛みは軽く感じます。
肩からの接種(筋肉注射)で、優しいスタッフが対応しますのでアッという間に終わっています。2回目の接種も同じ程度の痛みですみます。そのあと15分背もたれのある椅子で待ってもらうと帰れます。立つときは立ちくらみに注意してゆっくり立ち上がります。
☞ 接種後の副反応:
個人差がありますが、一般的には、帰宅して接種後3~6時間程度してから接種患部の痛みがでてきて翌日にかけて発熱・倦怠感等出現することがありますが、カロナールなどで対応できます。2回目の方が強く出ることがあります。当院で行うファイザー製のワクチンは、モデルナのワクチンより、副反応は軽く済むと思いますが、少なくとも翌日は予定を入れないようにしましょう。接種後1~2日程度は痛みで腕が上がりにくいこともありますので、利き腕でない肩に接種します。
希望者には、解熱鎮痛のためカロナール5回分を自費になりますが、接種後渡しています。
◆当日の血管迷走神経反射を回避するには
*親とお子さんともに平常心で来院する、お子さんは周りの人に影響を受けやすい。
*数日前から十分な睡眠を確保し体調を整える。
*接種前はトイレを済ませてリラックス。
*空腹・脱水予防のため、必要な方はペットボトルや甘い物を持参。
*待ち時間は背もたれのある椅子で待ち、急に立ち上がったりしません。
*接種直後に、通常の副反応である発熱・接種部の強い痛みはおこりません、
副反応は、帰宅してからおこりますの、痛み止めで対応できます。
血管迷走神経反射自体は、横になって休むことなどで治るので、特に健康上大きな問題になることはありませんが、突然起こり、ご家族の方もびっくりされるので起こさない準備は必要です。出現直後は、非常に稀なアナフィラキシーとの区別が難しいのも問題です。
コメント(インフルワクチンと比較)
毎年の若年者のインフルエンザワクチンで、血管迷走神経反射を起こす人は、ほとんどいません。少しチクっとするが何も起きないとわかっているからです。インフルワクチンもコロナワクチン同様に、帰宅して接種部の痛みと腫れは出現します。
コロナワクチンも、接種は少しチクっとするだけ何もインフルワクチンと変わりません。帰宅してから免疫をつけるための反応で、痛みと発熱がインフルワクチンより少し強く出るだけです。