吉耳鼻咽喉科アレルギー科 -鹿児島市 川上町

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病気にならない加湿器の選択

2018-01-19

秋以降は空気が乾燥し、エアコンを使うことも多くなり加湿対策は重要です。
鼻腔・口腔・気道粘膜が乾燥すると粘膜防御能が低下し、インフルエンザや細菌感染にかかりやすくなります。

湿度50%を低下するとインフルエンザ罹患率は上昇し、

湿度80%以上になればカビが発生してきます。

報告では、
10度 湿度50%では、インフルエンザ生存率45%
20度 湿度50%では、インフルエンザ生存率10%
20度 湿度20%では、インフルエンザ生存率65%まで上昇します。

温度もですが、湿度のコントロールは大事です。

一般的予防として、ワクチンを接種、咳エチケット(マスク)、手洗いの他に
50~60%の加湿の必要性(厚生労働省)が言われますが、

医療機関では、加湿の必要性の説明はあっても、

具体的方法の説明はほとんどありません。

 

👉 今回は、維持費、インテリア性、騒音などの視点ではなく

病気になりにくい視点での、自宅での加湿器選択と使用について話したいと思います。

 

結論は加湿器は細菌やカビが繁殖しにくい

加熱式(スティーム式)を選び、

まめに水の取り換えと掃除を行うことです。

 

超音波式、気化式、ハイブリッド式は、

乳児病弱なお子さんがいる家庭高齢者や免疫低下疑われる方使用を控える事です。

体力が低下した人は、病気予防に買った加湿器で、病気になることがありますので、

特に超音波式は勧めません

加熱式(スティーム式以外では
加湿器病:加湿器やエアコンが原因の過敏性肺炎レジオネラ肺炎(死亡率10~30%)を生じることがあります。

レジオネラの感染事例

レジオネラ wikipedia
として、通常は入浴施設が原因となることが多いのですが、

 

1996年東京の大学病院で加湿器が原因で、新生児3名発症しその1名死亡

2007年新潟で、超音波加湿器が原因で男性が死亡

このあと超音波加湿器から日本のメーカーは撤退したようです。

New: 2018年1月14日大分の高齢施設で、超音波加湿器が原因のレジオネラ感染で高齢者死亡, その他多数発症。

現在、ネットの売れ筋ランキングでは、おしゃれなため超音波式加湿器が上位で売られているようです

 

加湿器の分類
スティーム式加熱式
ポット式 ポット内で水を煮沸
蒸発皿型 蒸発布で100度に加熱

石油ストーブにヤカンをかけるのと同じ原理です。

煮沸を行い安全・清潔です。

ディメリットうるさい 電気代が高い 火傷の心配があります。

蒸発皿型は、電気代を少し安くし、音を小さく、火傷の危険を低下させたものです。ポット型よりお手入れが少し面倒です。

子供さんいる家庭では、蒸発皿型が望ましいでしょう

気化式:
電気代が安く(スティーム型の1/10程度)、音が静か、触れても安全

ディメリットは、加湿に時間がかかり、メンテナンスが少し面倒。フィルターに水を含ませファンで蒸気を放出する方式なので、フィルターに汚れがとどまり、細菌やカビの温床となるため定期的掃除が必要です。加熱式のような煮沸はありませんが、フィルターで多くの雑菌をカットするようです。

超音波式:
価格が安い、インテリア性がよく、電気代が安い、アロマなどと組み合わせることが出来るタイプが多い。

女性に人気。おしゃれなためネットの売れ筋ランキングで上位です。

 

アロマディフューザー加湿器超音波式で、精油と水を使えば、雑菌混入の可能性があります。

 

 

ディメリット:加湿器病レジオネラ肺炎の原因となることがあります。

 

掃除、お手入れ、除菌が面倒

超音波式、蒸気ではなく、微小水滴を飛ばして加湿を行いますので、

水滴の中にカビや細菌が入りやすくなり、まわりに散布することになります。

除菌目的水質浄化カートリッジがついているようですが、まめな洗浄と交換が必要になります。

価格が安い場合、水質浄化カートリッジの品質も心配です。また外国製が多く、メンテナンスをよく理解して購入する必要があります。

週1でカートリッジ洗浄し、シーズンごとのカートリッジの交換が必要のようです。

ハイブリッド式:
温風気化式と呼ばれます。基本気化式です。
気化式の加湿スピードの遅さをカバーします。

音が静かで、火傷の心配なく、スティーム式より電気代も抑えられています

ディメリット:フィルターに水を含ませファンで蒸気を放出し、ヒーターを使用して温風にします。

100度になるわけではないので、温風に消毒効果はありません高価です。2週間に1回の程度のメンテが必要です。

その他
石油を買う手間が面倒でなく、着火と消火時の換気をしっかり行えば、石油ストーブにヤカンをかける、ぬれタオルを干すなども対策の一つです。

気密断熱性が高い家であれば、蓄熱暖房、電気ストーブ、床暖房、こたつなど乾燥した空気が出にくい暖房機で過ごす方法もあります。