スマホと診療活用
紅葉 吉野公園 2017年11月5日
秋も深まり、吉野・川上地区では少しずつ紅葉が見ごろとなってきています。
吉野公園の散策路には楓やイチョウの紅葉がみられるようになりました。
さて、若者のスマホ保有は90%以上となり、小学生高学年は60%、
シニア世代でも50%に達してきました。
👉 今回は皆さんに最も身近な、医療でのスマホ利用の一アイデアを話したいと思います。
既に診察では、蕁麻疹や皮疹の写真を持参される患者が増えてきています。
2015年に厚労省からの通達がでて、遠隔診療が少しずつ始まってきているところですが、通常診療には、まだほど遠い状況です。
しかし、そう遠くないうちに、スマホなどを利用して、糖尿病や高血圧の慢性疾患や、
へき地診療、在宅医療では、今後普及していくと思われます。
当院は、遠隔医療になじまない急性疾患や局所診断・処置・治療が必要な患者さんが多く、
まだ積極的な取り組みはしていません。
【診察に役立つスマホの身近な利用の仕方】
●皮膚科領域では蕁麻疹や皮疹の撮影
蕁麻疹は診察時には消失していることが多いため利用価値があります。
●小児の夜間の咳の状態の録画
百日咳の特徴的な咳(レプリーゼ):
短い連続した咳が「コンコンコン」と5~10回発作的に続く「スタカット」、
その後「ヒィー」と息を吸い込む「ウープ」と呼ばれる発作を繰り返します。
この繰り返しを「レプリーゼ」と呼んでいます。
このレプリーゼは夜間に増悪することが特徴です。
夜間に悪化するので自宅でのスマホ動画撮影が有効と思われます。
成人の百日咳の咳は、このような特徴的な咳は認めないことが多いのですが、
咳は夜間に増悪します。
●小児の睡眠時無呼吸症の録画
幼児の睡眠時無呼吸症の検査は難しく、当院では睡眠中のスマホなどによる
ビデオ撮影を勧めています。
具体的なやり方は、当HP:疾患について:睡眠時無呼吸症を参考にしてください。
●痰や便の性状など、持参するのが難しい物もスマホ写真が役に立ちます。
●薬手帳を忘れる方は多く、スマホで多数の薬を記載した紙を撮影すれば
クリニックに行くときや、本人の急変時にも持病を推測することが可能となり、
迅速な対応につながります。
このほかにも皆さまのアイデアで利用価値がひろがります。
個人情報に配慮した対応はいつも心掛けましょう。