お子さんの喘鳴(ぜんめい)は何タイプ?
お薬飲んでも長引く咳・夜間の咳で眠れないなど症状が反復し、親御さんから『喘息でしょうか?』と質問を受けることはよくあります。
お子さんは風邪をひきやすく、成長過程であり、検査の協力を得られにくいので、繰り返す喘鳴(ぜんめい:ゼーゼー)という症状として経過を見ていく必要性を説明しています。
小さいお子さんの場合、喘息ではなくても風邪のウイルスや鼻・副鼻腔炎や鼻炎の後鼻漏、哺乳・食事摂取後の咳・嘔吐などから喘鳴(ぜんめい)が聴取されることはよくあります。
アトピー性皮膚炎、乾燥肌、両親の喘息の家族歴、ダニ抗体陽性や喘鳴の回数の上昇(1週間の間隔をあけて呼気性喘鳴3回以上)、β刺激薬吸入に反応良好などから、喘息の可能性が高くなっていきます。吸気性喘鳴の代表はクループです。
〇 病型分類(フェノタイプ)について
気管支喘息患者さんを、症状や病態生理の特徴から分類すると、病因の解明、見通しの予測、焦点を絞った適切な治療を行いやすくなります。
この分類をフェノタイプ(phenotype: 表現型 病型分類)と言います。
乳幼児期は検査の協力が得られず、小児期の呼吸器系は、解剖・生理で変化し、風邪をひきやすく免疫機能も大きく変化する時期のため、喘息(ぜんそく)の診断は難しく、喘息とは言わず反復する症状としての喘鳴(ぜんめい)と呼び分類した方がわかりやすくなります。
👉 今回は反復喘鳴(ゼーゼー)・喘息:乳児期・学童思春期での病型分類(フェノタイプ)の話です。
反復しない基本的に1回だけの急性喘鳴はRSウイルス、ヒトメタニューモウイルスなどによる急性細気管支炎・肺炎・気管支炎による喘鳴の鑑別が必要です(迅速キット検査あり)、生後3ヶ月未満では無呼吸発作のこともあります。稀ですがピーナッツなどの気道異物も喘鳴の原因となります。大きく以下の二つに分けて考えます。
1)乳幼児期 反復呼気喘鳴(ぜんめい)のフェノタイプ
(乳幼児期のフェノタイプはタイプ間で移行することがあります、喘息の診断はつきにくく喘鳴:ぜんめい としてフォロー)
① 一過性初期喘鳴群(2~3歳までに改善)
② 非アトピー型喘鳴群(学童前半までにかなり改善するも一部は学童期喘息へ移行)
③ IgE関連喘鳴/喘息群(学童後も持続し 本当の喘息へ)
➡ IgE関連喘息(アレルゲン誘発性喘息・アトピー型喘息)
学童期以降のアトピー型喘息へ移行することが多いため、気流制限・リモデリング予防のため早期から治療が必要です。
【診断に有用な所見】
*両親喘息
*アトピー性皮膚炎
*ダニ等吸入アレルゲン陽性
*風邪をひいてないときの呼気性喘鳴 など
ライノウイルスやRSウイルスの気管支炎の罹患は、気道上皮障害をおこしアレルゲンの感作が生じて喘息発症のリスクが高まります。
治療:吸入ステロイド(フルタイド、アドエアー、パルミコート、小児レルベア、フルティフォームなど)
➡ 非IgE関連喘息(風邪ウイルス誘発性喘息、他の誘因タバコ、冷気など)
この一部は、学童期までにアトピー型喘息または非アトピー型喘息移行します。
治療:抗ロイコトリエン薬など
2)学童思春期 喘息(ぜんそく)のフェノタイプ
(成人分類に近い状態になる,検査ができる年齢のため喘息の診断がつきやすい)
(アトピー型喘息が80~90%と最も多い)
アトピー型喘息が80~90%と多いが、非アトピー型喘息もあります。
アスリートや運動部に所属する場合、運動誘発喘息が問題になります。
*鼻・副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などの耳鼻咽喉科疾患が、幼児から学童・思春期では悪化因子として多く認めます。
*肥満が喘息難治化要因となります。
*体育や運動の課外活動が、運動誘発喘息の原因となりますが、認識不足のため気づいていないこともあります。
*低肺機能を伴う喘息や小児発症の重症喘息は成人でCOPDのリスクになります。
*早期発症で気流制限を伴い、ダニ以外にも様々なアレルゲンを持つアトピー型喘息は難治化します。
治療:
ダニ回避などの環境整備
フルタイド、アドエアー、小児レルベア、フルティフォームなどの吸入ステロイド、抗ロイコトリエン薬、ステロイド点鼻
免疫療法:ダニ・スギの舌下免疫療法など(ダニ舌下免疫療法は喘息の保険適応はありませんが、喘息にも効果が報告されています)
肥満児は減量、食事指導
運動誘発喘息は、十分な準備運動、抗ロイコトリエン薬やステロイド吸入などの喘息管理
心理的、経済的要因も悪化因子となります。
〇 難治化の盲点として
*ステロイド吸入の仕方の誤りは多く認めます。吸入方法については医師、看護師、薬剤師など積極的に確認して下さい。
*学童から思春期にかけて親の言う通りに服薬や吸入をしなくなる場合です。





