鼻と秋の喘息
今朝の早朝の吉野・川上町・花棚の室外気温10・8度、昨日早朝より4度ほど低くなっています。
前日比で3℃以上の気温低下で喘息発作が起きやすくなり、同時に鼻炎も悪化しやすくなります。
喘息患者でのアレルギー性鼻炎の合併は80%前後、アレルギー性鼻炎の10~20%に喘息の合併がみられ、
合併率が高いだけでなく、喘息の悪化にも影響するなど関連が非常に深いものになっています。
これをone airway, one diseaseと呼びます。鼻などの上気道と肺の下気道をひとつの疾患群として治療する考えです。
◆アレルギー性鼻炎・好酸球性副鼻腔炎には鼻噴霧ステロイド薬や抗ロイコトリエン薬を併用すると喘息症状の改善効果が高くなります。
◆お子さんの場合、風邪を引き易く、感染による鼻・副鼻腔炎の悪化を伴うことが多く、喘息の難治化や長引く咳の原因にもなりますので、必要な方は抗生剤を併用します。鼻処置・鼻洗も効果的です。
◆秋の喘息症状と関連が深いのは、スギ花粉症より、ダニ・ハウスダストによるアレルギー性鼻炎です。ダニ関連アトピー型喘息を悪化させます。ダニ対策を徹底します。
夏に繁殖したダニが秋に死んで、家に中にたまった死骸や糞が体に入り症状が出てきます。糞はダニの数十分の一の大きさ(0.01mm)で、気管支の中に入りやすくなり喘息を起こしてきます。
◆ライノウイルスは、小児から大人のかぜの3~5割をしめています。33℃でしか増殖しないとされ、上気道に限定した症状(頭痛、咽頭痛、鼻水、鼻閉など)を呈し、水様鼻汁から濃い緑色鼻水に変化し、発熱は軽微で咳は2週間ほど持続します。消毒用エタノールの効果は弱く、石鹸による流水による手洗いが重要です。100種以上あるのでワクチンは期待できません。学童における喘息発作の80%以上、成人の約半数が気道ウイルス感染に起因する報告があります。
ライノウイルス感染をくり返すと喘息を発症しやすくなるといわれています。そのため、手洗いなどを行い、ウイルス感染症を予防することが大切となります。春と秋のライノウイルスの時期には 喘息をお持ちのお子さんは、前もってステロイドの吸入で気道過敏症を抑制する必要があります。
◆前日比で3℃以上の気温低下で喘息発作が起きやすくなると同時にアレルギー性鼻炎も気温差が大きいと悪化します。冷え込み対策を行いましょう。