自分でチェック:良性発作性頭位めまい症
めまいで最も多い病気が、良性発作性頭位めまい症(BPPV)です。統計では、めまいの半分近くはこの病気です。
『良性』とありますが、激しい回転性めまいが生じるので、症状は決して軽くはありあません。救急車を呼ばれる方も多く、反復することも多いため予期不安から外出を控えたり、精神的負担も大きくなります。
急性期は、嘔吐が出現して、吐き気も強く、めまいは改善してきてもムカムカ感、食欲低下は持続します。回転性めまい発作は、一度につき数分以内で治まります。数日から数週間の間に何度も発作が起きることがあり、発作は徐々に自然になくなっていきます。一部の方は月単位持続する方もいます。症状事態は、脳梗塞のような危険なものではありませんが、車の運転や転倒のリスクとなります。
BPPVを自分である程度判断できれば落ち着いて対応することができるようになります。
➡ セルフチェック (大阪大学耳鼻咽喉科 今井医師2016から)
*目がグルグル回るめまい +1
*寝返りをするとめまいが悪化 +1
*めまいの持続時間は5分以内 +2
*もともと左右どちらかの難聴、または今回のめまいに耳鳴り、難聴、耳閉感を伴う -1
合計点が2点以上は、BPPVの可能性が高くなります。
その他のチェック項目として
*起床直後の朝が悪く、昼過ぎから改善傾向となる
*勇気をだして動いてみると、症状が軽くなる(めまいは寝ては治らない)
*頭痛はない
*耳鳴り、難聴は伴いません
*頭が動くたびに症状が出現する
具体的には、靴を結ぶ、洗濯物を干す、朝起床時または昼寝後、頭を動かすときに起きます
*病気や入院、腰痛などで、以前より運動量は減ったあと起こりやすくなる
*肩や腰痛などで就寝中寝返りができず、同じ姿勢で就寝するようになる時に起こりやすくなる
BPPVは、片頭痛、メニエル、肩こりなど他疾患と併発していることも稀ではなく、頭痛や5分以上持続するふらつき症状が同時にまたは前後して出現していることありますので、前述のセルフチェックだけは難しいこともあります。めまい相談医など専門医に相談しましょう。
➡ 治療: BPPVは、薬で治す病気ではなく動きの中で改善していくものです、耳石を、症状を起こさない場所に動かすだけです。
浮遊耳石置換療法がうまくいけば、翌日にはかなり改善しています。薬は、対症療法的に症状を緩和させる目的で使用しますが、本質的治療にはなりません。
➡ 症状を再発させないためには、運動習慣を持つことです
朝のラジオ、テレビ体操を習慣化することも良い方法です。
高齢者でも誰でも行えるものは、枕を使い寝返り体操を就寝時と起床時に行います
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