台風と気象病(めまい・耳閉感・頭痛)
10月には稀な、大型台風21号が10月23日に静岡に上陸。
当院では、最近の長雨と台風の接近で、めまい、難聴・耳鳴り、頭痛の訴えの患者さんが増えています。
喘息発作も少し増えていますが、台風後の気温差が大きくなり空気が乾燥してくると、鼻炎の悪化と共に喘息の急性増悪が、もっと増えてきます。
【気象病とめまい】
正式な病名ではありませんが、気圧の変化で体調不良を感じる症状を『気象病』と呼び、自律神経の不調と密接に関係しています。日本に1000万人ほどいるともいわれています。
機序は不明ですが、気圧の変化を内耳で感じ、内耳と眼からの入力のずれによる脳の混乱や交感神経の緊張状態の関与、気圧の変化による血管内成分の細胞内への移行によるむくみや痛み物質の放出も推測されています。
我々は経験上、『気象病』として神経痛や古傷の痛み、めまい・嘔気・頭痛・耳閉感、喘息、うつ、心疾患・脳出血が悪化することを以前から気づいていました。
東洋医学でも、気・血・水の水毒に関連する現象と似ています。
気象病の一部の現象と重複していますが、完全に一致するものではありません。
水毒の原因には様々な点が指摘されていますが、大きな原因の一つは水分の代謝不足です。
つまり、摂取された水分は老廃物と共に体外に排出されなければいけませんが、この排出する機能が低下してしまうと体内に水分が余剰にたまりやすくなってしまうのです。
めまいで有名なメニエール病や低音障害型感音難聴は、内リンパ水腫の関与が指摘されています。
このように、東洋医学の水毒での水分の代謝不足と似た現象が、現代医学のめまいの疾患の中で確認されてきています。
西洋医学では、利尿剤やすステロイド、漢方では、五苓散、苓桂朮甘湯、柴苓湯などの利水剤を用います。
以上のことから、
自宅でできる対応として
●水分代謝と自律神経の改善のため、汗をかくような運動、ストレッチ、睡眠や食事を規則正しくします。
●エアコンを使い過ぎず、入浴でリラックス。
●服を絞めつけ過ぎない、適切な水分補給と塩分を控えましょう。
症状がひどいときは、各疾患の病院での治療が必要です。
軽い場合は、一部の方には酔い止めや五苓散が効果をみとめますので、薬局で購入可能です。