ホー吸入で薬効果をより良く実感:喘息・咳喘息の方へ
病気を改善させるには、薬の使い方や服用方法は重要です。
喘息・咳喘息やCOPDの治療では吸入器具を使います。器具に入っている薬を上手に、気管を経由して肺の奥まで運ぶ行為が必要になります。内服であれば、服用さえできれば薬の効果が期待できますが、器具を用いた場合、操作方法を覚え、実践できなければ薬の効果は期待できません。
喘息・咳喘息やCOPDの治療では、色々な吸入器具が使われていますので、クリニックで処方された器具に合った使用方法を学ぶ必要があります。院外薬局では、吸入指導が行われ処方薬をもらうことことになります。
吸入器具は認識できても、その中に入っている薬は目に見えないことがほとんどで、本当に吸入できているのか不安になります。匂いや味があれば吸入の実感がわきますが、匂いも味もわかりにくい吸入薬もあります。ただ吸入するだけでは効率よく薬が気管・肺まで到達していないこともわかってきました。
👉目に見えない吸入薬を、目で見えない口腔内から上手にのどの奥から気管・肺までどのように届けたらよいのでしょうか?
今までは、器具の使い方を覚えたら、息を吐いて吸う:単に吸うスー吸入でした。器具を口にくわえ、強く吸うかゆっくり吸うかして息を止めることが通常行われてきました。最近、今までのスー(吸う)ではなく口腔内の薬の通り道を考えた画期的なホー吸入が開発され吸入効果が45%から75%まで改善され薬の効果をより良く実感できるようになりました。
『目に見えない口腔内を、吸入するとき望ましい状況に変えるため、ホー吸入を以下の要領で行います』
*器具を口にくわえる前に、舌の位置を前方に移動して下げ、ホーと言いながらお薬の通り道を作ります。
*器具の吸入口を舌の先端の上にのせます。
*ホーをイメージして、のどの奥を広げ吸入します。
*お薬の通り道をまっすぐにするため吸入すると同時にアゴを上げ、首をのばして吸入します。
➡ 日本喘息学会の動画で、ホー吸入を学んでみましょう!! 活字より視覚的に学ぶ方がよくわかります。
各吸入製剤の解説はこちら➡ 吸入操作ビデオ (jasweb.or.jp)
ホー吸入 Ver.2 youtube
➡ 吸入器具には粉かエアロゾルのどちらかが入っています。
多彩な形状の何十種類もの吸入器具が存在していて、大きく分けてエアロゾル製剤と粉タイプに分けて理解しましょう
*エアロゾル製剤:pMDI ゆっくり大きく吸入するタイプ
喘息薬:フルティフォーム2剤、アドエア2剤、フルタイド、キュバール、オルベスコ、メプチンエアーなど
COPD薬:ビレーズトリ3剤 ビベスピ2剤
*粉タイプ:DPI 勢いよく大きく吸入するタイプ
喘息薬:アドエア2剤、レルベア2剤、テリルジー3剤、アニュイティ、エナジア3剤、アテキュラ2剤、シムビコート2剤、パルミコートなど
COPD薬:アノーロ2剤、エンクラッセ、ウルティブロ2剤、シーブリなど
➡ 吸入製剤の選び方
吸入者が、子供や高齢者など勢いよく吸入できない方はエアロゾル製剤を選びます。吸入に同調できない方は、筒状のスペーサー(3000円程度で購入)を用います。
勢いよく吸入できる方は、粉タイプまたはエアロゾル製剤を選びます。アルコール臭が合わない方は、粉タイプを選択します。
➡ 以下の従来からの吸入動画では、ホー吸入については述べられていません
それぞれの吸入器具の詳しい吸入方法は、アレルギー協会の吸入療法サポートチャンネル(通称 吸チャン)を参考にしてください
環境再生機構の吸入動画も参考になります。
➡ 吸入効果が得られないときにまず行うことは
*特にお子さんや高齢者は吸入手技がうまくできなくて効果を得られない事がよくあります。まず正しい吸入手技の確認をしましょう。お子さんに任せきりでは、うまくできていないことが多くあります。
*前述の色々な動画がネット上にアップされていますので、これらを利用するとお子さんや高齢者も理解が深まると思います。
*吸入効果が45%から75%まで改善され薬の効果をより良く実感できるようにするため、お子さんや高齢者もホー吸入を行いましょう。