おたふくと難聴
2017-10-30
👉 おたふく風邪で難聴になると知らない方が多くいらっしゃいます。
おたふく難聴は治療法がなく、後遺症として、ほとんど聞こえない高度難聴が残ります。ワクチンによる予防が唯一の対応策です。
◆日本耳鼻咽喉科学会で、2015~2016年に大規模全国調査が行われ、2年間で少なくとも348人が難聴になり、300人近い方に、後遺症が残っていることが2017年9月に公表されました。
約80%以上は、ほとんど聞こえない高度以上の難聴で、両側難聴は16人で、その12人は補聴器や人工内耳の装用が必要でした。幼児・学童が最も多く、次に30歳台で多くなります。現在日本は先進国で唯一ムンプスワクチンが定期接種化されていない国であるため、予防接種率が30-40%と低迷しており、これが流行性耳下腺炎の園や学校での大流行の原因となっています。自然罹患による高いムンプス難聴 率の事実と、ムンプス難聴が予防接種により予防できることがあまり知られていないことも予防接種率が低迷している原因の一つと考えられます。
1993年にMMRワクチンの副作用が問題になり、定期接種が中止になり、おたふくかぜワクチンは単独の任意接種となっています。最近はワクチンも改良され、副作用も以前よりごくまれになっています。お子さんの場合は、1歳に1回目、4-6歳の2回目の接種で予防できると考えられています。成人の場合は、既にかかっていても抗体が十分でない方も多く抗体検査後の接種が望まれます。抗体がまったく無い場合1~2か月あけて2回接種となります。
ムンプス ワクチンの早期定期接種化が望まれます。