耳痛&夜間対応
耳痛は耳鼻科疾患の最も多い症状の一つです。
耳疾患が原因の耳痛と他部位の疾患が原因の耳痛(放散痛)に大きく分けられます。耳痛を主訴とする患者のうち、約半数が放散痛であると報告もあります。
理由は、外耳道と中耳には6つの神経
(三叉神経第3枝、顔面神経、舌咽神経、迷走神経、小後頭神経、大耳介神経)が分布していて、これらは顔面、副鼻腔、頸部、口腔、顎関節、咽喉頭、頸椎、気管、食道、肺にまで関連しているからです。
耳疾患が原因の耳痛:
外耳炎:大半は、耳そうじのしすぎが原因です。
中耳炎:子供では中耳炎の可能性が成人より高くなります。
外耳耳介の皮膚疾患:ヘルペス、耳節、とびひ
放散痛(他部位の疾患):
額関節症、上咽頭炎、急性咽喉頭炎、扁桃炎、歯原性疾患、おたふく、
頸部リンパ節炎、口内炎、副鼻腔炎、下咽頭癌、急性喉頭蓋炎、
頸椎・椎間関節症、逆流性食道炎、左の場合まれですが急性心筋梗塞など
原因不明:
原因が特定できないこともあります。
漢方などで体のバランスを整えると改善することもありますが、
この中に心因性も含まれます。
当院の方針
外耳道内鼓膜を画像モニターで説明し、耳疾患の状態を視覚的に
理解してもらいながら説明を行います。
耳疾患以外の放散痛の原因となる、おたふく、頸部リンパ疾患、口腔内、顎関節、咽頭喉頭疾患などに対しても、咽喉頭ファイバー、頸部エコー、採血などで詳細に調べながらの加療いたします。
但し、明らかな歯科疾患や頸椎から整形疾患はご紹介となります。
原因不明の場合も経過観察を行いながら体のバランスを確認し、東洋医学的加療を行います。
『耳痛の夜間での対応』
夜間の耳痛の場合、鹿児島市鴨池にある夜間急病センター099-214-3350)に電話連絡することをお勧めします。
小児の場合
鹿児島県小児救急電話相談「♯8000」番(又は099-254-1186)を利用できます。
外耳炎・中耳炎による耳痛の場合、長期に持続する耐えられない痛み以外、夜間はカロナール(アセトアミノフェン)など解熱鎮痛剤で応急処置を行い、翌日の耳鼻咽喉科受診で問題ありません。
小さいお子さんがいる家庭では、解熱鎮痛剤の常備は必要です。
外耳炎の場合、耳介を引っ張って痛い、耳いじり後から出現することが多く
中耳炎の場合、耳閉感、難聴を伴います。
外耳炎も、こもった感じは出現します。
中耳炎の場合、鼓膜切開が必要になる場合もあります。
虫の外耳道異物の場合、痛みがなければ翌日で問題ありませんが、虫が動いて痛みや音がするときは、早めの受診が必要です。
耳垢除去に伴う外傷性鼓膜穿孔や外耳出血の場合は、出血や耳痛がおさまらない場合を除き夜間であれば、翌日で問題ありません。
非常にまれですが小児の乳様突起炎による耳痛のこともあり、耳後部腫脹で耳介が立ち上がったような状態があれば、早急の受診が必要です。
耳とは関係なくのど・首からの放散痛による耳痛の事もあります。
原因が、扁桃炎、耳下腺炎、頸部リンパ節炎であれば心配ありません。
乳幼児の場合はゼーゼー、流涎(よだれ)や
学童・成人では著明な嚥下痛や嚥下障害、息苦しさが随伴すれば、
稀に急性喉頭蓋炎や扁桃周囲膿瘍の可能性があり早急の受診が必要です。