インフルエンザ&ワクチン&予防投与情報2018年10月~
~インフルエンザワクチン接種 開始~
2018年12日21日ワクチン供給開始となり、インフルワクチン開始しています。年末は通常の患者さんが多く、混雑のため行いません。
2018年10月18日(木曜)から火曜、木曜、金曜日の通常診療時間内に行います。
平日受診できない方は、こちらで接種お願いします。平日診療時間内の予約をお願いいたします。
ワクチン接種外来では、通常診療は行わず、ワクチン接種のみ行います。
【料金 】
1回目 3000円 当院2回目2500円 (自費)
65歳以上1500円(公的助成ある方)
※当院では1歳以上を接種対象としています。
1歳~12歳 2回(2~4週間隔) 13歳以上 1回
~インフルエンザ抗ウイルス薬予防投与と費用~
添付文書では:抗インフルエンザ薬予防投与について
予防に用いる場合には、原則として、インフルエンザウイ ルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者 である下記の者を対象とする、なっています。
⑴高齢者(65歳以上) ⑵慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者 ⑶代謝性疾患患者(糖尿病等) ⑷腎 機能障害患者
感染者に接触後、2日以内に開始します。自費になります。
当院では、問診・診察・処方箋代として1500円プラス院外薬局での支払い(3500円~5500円程度 推定)
全部で5000~7000円程度(推定)となると思います。
自費診療となり医療機関・薬局で価格が異なります。また抗ウイルス薬の種類や薬の量によっても異なります。
~ワクチンの効果と接種時期~
効果を維持できるのは、接種後2週間~約5ケ月です。
毎年インフルエンザ流行期間は、12月中旬から3月中旬、1月中旬から2月中旬が最も多くなりますので、
1回接種の望ましい接種時期は10月下旬~11月下旬となります。
13歳未満の方は、10月初旬~11月中旬と10月下旬~12月初旬の2回接種が、理想です。
2017年は11月下旬から鹿児島では流行がはじまりました。
~ワクチンは、インフルエンザ感染を予防できるか~
答えは、インフル感染を予防できません。しかし、ワクチンはインフルエンザ感染に有効です。
インフルワクチンは感染後の発症予防や重症化予防を目的としているからです。高齢者では、肺炎などの死亡率を低下させる効果が認められています。インフルなどのウイルスの感染を予防するには、鼻腔や口腔粘膜での付着を防ぐ必要があります。それには粘膜面への分泌型IgAを誘導する必要(粘膜免疫応答)がありますが、現在の日本で使用されている不活化インフルワクチンには、この効果はありません。分泌型IgAは鼻腔・口腔でのウイルス活性を弱め、生体内への侵入を防ぎ、異なる亜系への交差防御効果(すこし変異したウイルスへの効果)があります。
現在のワクチン皮下注射では、分泌型IgAは誘導せず、血清IgG抗体を上昇させます。血清IgG抗体は、鼻・口腔・気管での侵入を防ぐ効果や交差防御効果はありませんが、生体内でのウイルス活性を弱める効果がありますので感染後の症状発現予防や重症化予防は期待できます。ワクチン製造に使用されたウイルス株と異なるウイルス株が流行すると、現在の不活化ワクチンの効果は期待できません。その年の流行インフルウイルスが製造ワクチンのウイルス株とすこし異なると、ワクチンを打っても効果があまり期待できない年があるのはそのためです。
現在、粘膜免疫応答を誘導する経鼻ワクチン(鼻からいれるワクチン)が、分泌型IgAを誘導するため研究開発がおこなわれています。期待されていた経鼻弱毒生ワクチンは、欧州・米国で使用されましたが、十分な効果がまだ確認できていません。経鼻不活化全粒子ワクチンが、今後期待されています。
現実的な、鼻腔・口腔・気管から侵入させないインフル感染予防は、手洗い・マスク・うがいしかありません。
特に、手洗いが最も重要で、家に帰ったら手で顔や口に接する前に手洗いを行いましょう。
~卵アレルギーの方へ~
インフルエンザ予防接種ガイドライン2018年版では、
『卵白抗体陽性でも、卵加工食品を食べても無症状である者では、接種後の鶏卵アレルギーによる重篤な副反応の報告はない』
と記載されています。
~けいれん既往の方へのワクチン接種について~
1994年の予防接種法改正前までは、けいれん後一年は、予防接種は禁止でした。
現在は、過去にけいれん既往者は、接種要注意者として接種可能となりましたが、
添付文書には接種可能者の具体的記載はありません。
◆日本小児神経学会推奨基準(熱性けいれんを既往にもつ小児に対して)
接種基準
1) 熱性けいれんと診断された場合は 最終発作から 2~3カ月の観察期間をおけば
保護者に対し 個々の予防接種の有用性 副反応(発熱の時期やその頻度 他)などについての十分な説明と 同意に加え具体的な発熱時の対策(けいれん予防を中心に)や 万一けいれんが出現したときの対策を指導 するの条件のもとで接種が可能である
2) 長時間けいれん(15分以上発作が持続)の既往例は 小児科専門医あるいは
小児神経専門医が診察し その指 示のもとに施行する
上記の内容をふまえ、
乳幼児のインフルエンザワクチン接種希望の方で、痙攣後十分な期間あけて接種する場合は、
問題ないのですが、頻回な痙攣歴の方や発作状況がよくわからない場合は
担当医のもとで行うことをお勧めいたします。